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2026年
●2月1日 管理人
先日、Apple Musicのプレーヤーをここにエンベデッドしてみて、意外といいなぁと思いました。
当サイトは始めたときから基本的に画像は扱わないつもりでいましたが、ちょっとアルバムページにプレーヤーを埋めてみました。
オープンから20年たってはじめてジャケット画像を載せたわけですが、やはり良いですね。
ちょっと貼ってみましたと言ってもベスト入れて約50作ですからなかなか大変でした。
先日サンディの「前塵」の話の中で、ユーミンの「雪月花」について触れたのですが、
ご覧になっている方からこの曲の歌詞の内容と、なぜ「雪月花」というタイトルなのか?というご質問を頂きました。
まず大前提として、解釈は人それぞれ自由なので、あくまで私の解釈として聞いて頂けたらと思います。
「雪月花」の曲の内容はけっこうそのまんま再会の歌だと思います。
何があったかは歌われていませんが、むかし別れたけれど密かにずっと心の中で共に生きてきた人に再会した感じでしょうか。
随分と時間がたってはいるけど、お互いがお互いを分かるはずと信じてるくらい強い絆のある相手だと思います。
「雪月花」って言葉を調べるとこれは「四季の代表的な美」を象徴する言葉なんだそう。
まぁこれを曲のラベルとしてふぅんと捉えても良いとは思いますが、ブリッジ部分の歌詞を見ると、
「春が来て緑は萌えて 今日の景色もまぼろしになる」「そしてまた冬が来るとき 今日の景色に励まされる」とあります。
今日の冬の情景は消えてしまうけど、また来年冬が来るときっと今日と同じ景色に励まされる、
そういう毎年巡りくる美しい情景の象徴、さらには雪を見ても月を見ても花を見ても、繰り返し繰り返し自分の中に立ち上る感情の象徴、
つまりは心の中にある大切な人への気持ちの象徴として「雪月花」というタイトルがつけられているのではないかと思います
(そういえば、みゆきさんの曲にも「雪月花 移ろわないのが恋心」という一節があります)。
ユーミンが選んだ情景が「冬」だというのがまた美しいけど、冷たく厳しくもある主人公が抱えてきた想いを表してるようでいいですね。
ただ、エンディングへの歌詞の展開を聴くと、もうこの情景は巡ってこないのかも・・・と思います。
「満ちてくる陽の光に雪解けの音が聴こえる」「やがて悲しみにも時は流れ海へと注いでゆく」
この詞を聴くと大切な人と再会したことで二人の間にあったわだかまりのような物が解けた気がするんですよね。
「なつかしくて なつかしくて 涙が止まらなくなるの」
もう主人公が再び冬の景色に励まされることは無いんじゃないかな?なんて思います。
最後にこういう展開が待っているところがユーミンの歌詞の素晴らしいところだと思います。
ユーミンが2003年にNHKに出たときにこの「雪月花」の詞が出来るきっかけを話されたことがあります。
ぼーっと見ていた紀行番組で、アラスカのユーコン川の小さな町の雪解けの様子が放送されていたそうです。
その町では冬の間、凍った川にブイを浸けておくんだそうですが、このブイが鐘に繋がっていて、
春の雪解けとともに川が流れるとそのブイに繋がった鐘が小さな町に鳴り響くんだそう。
そしてその鐘がなる日を町の人たちが賭けていて、そうやってみんなで春を待つという話がすごくいいなと思って、雪解けの歌を作ろうと思われたんだとか。
「雪解けを賭けて待つ春」から「再会による雪解け」の歌が出来るってのがステキですし、ユーミンの面白い所ですね。
ユーミンって猫をモチーフに犬の歌を描くようなところがあるのですが、そこに通底してる「4本足は可愛い」みたいなことがしっかり描けてるんですよね。
だからこそ私たちはその歌に各々思い思いにバンビを投影したり、ポニーを投影したりできる。
そう思うと、ユーミンがそもそも猫を描いたのか?犬を描いたのか?ってのは実はそんなに重要じゃないとも思えます。
私たちは詞の意味を言葉にできなくても、「この曲いいなぁ」と思える時点でユーミンの籠めた「4本足は可愛い」ってことを
ちゃんと受け取れているのかもしれませんね。
ちなみにAIにも歌詞を見せて「この歌詞のタイトルがなぜ『雪月花』なの?」と訊いてみました。
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「雪月花」は、季節の美しさに触れるたび誰かを思い出す―― という古典的情緒を一語で示す象徴だからです。
白居易の詩 「雪月花時最憶君」(雪月花の時、最も君を憶う) は、まさに 季節の移ろい=想いの呼び水 という感情構造を表しています。
あなたが提示した歌詞にも、 雪、粉雪 月、夜 春、花、雪解け といった季節の変化が繰り返し現れますが、その一方で語り手の想いは変わらず続いていく。
つまりタイトルの「雪月花」は、 移ろう季節(= 雪月花)に触れるたび、変わらない“あなたへの想い”が甦る という作品全体の情緒を、最も短く、美しく象徴する言葉になっているわけです。 |
なるほど。唐代の詩人もってくるあたりがニクイやつですね。
●1月28日 管理人
続・サンディ・ラムばなしですが、先日ヤフオクで彼女の「パラダイス・イン・マイ・ハート」という曲のプロモ盤が8万円で落札されました。
何と入札者21人、うち5万円以上付けた人が9人!おいおいどうなってんだ!?って感じですが、何かと彼女の日本盤には高い値が付いているようです。
私は40年遅れなので、今更モノは集めないかなぁとは思っている(・・・気に入ったものだけ集めようかな、、)くらいなので、いいのですが、
密かな彼女の人気を見た気がしました(まぁ21人皆が本当に欲しかったのかはわかりませんが、香港ではもっとすごい値がつくようですし)。
この「パラダイス・イン・マイ・ハート」、香港での原題は「前塵」といいます。
「前の塵」ってぜんぜん日本語(いや、英語か)と違うタイトルのようですが、調べてみるとちょっと面白くて、
中国語では「塵」って言葉を色んなものを象徴する言葉として使うようで、幽かな物とか、儚いものとか、過去の想い出とか、・・・
・・・「おー!ダイアモンドダストやん!」ってちょっとユーミン・センスと結びついてなんだか嬉しくなってしまいました。
「前塵」は中国でももう普段は使わない古語っぽい言葉のようですが、どうやら昔の儚い記憶の事、でも触れたらわっと舞い上がるような記憶のことのようです。
過去の想い出が何かのはずみにわっと舞い上がる、立ち上る感じは「One more kiss」のようですね。
昔は「こんなのユーミンだけ!」ってことが嬉しかったのですが、歳重ねて最近は「ここにもユーミンと同じ発想があったんだ」ってなことが嬉しかったりします。
もう戻れないけれど、いつまでも心の中にある大切な場所・・・と思うと「パラダイス・イン・マイ・ハート」ってタイトルもありですね。
(実はもともとトレイシー・フアンさんが歌った英語版のタイトルが「Paradise in My Heart」でサンディの日本盤をリリースする際、ここからタイトルをもらったようです。)
この曲、作曲はFOLTEにも参加したディック・リー氏。彼独特のむかーしの中国感ある懐かしいメロディで、
でも、ダイレクトに懐かしい、知ってる懐かしさというよりは、何か導かれるようにして想い出される「なぜか懐かしい」みたいな
ニュアンスがよく出てるメロディなんですよね。パッと聴くと朴訥とした感じなんですけど、奥からグッとくる懐かしさがある。
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このへんから再生されます →
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張方露さん(広東語版の周禮茂さんと連名になってますが)の詞がまた素晴らしくて、 再会の歌なのですが、サビが 還不是一個我(ハイプシ イガ ウォ) 還不是一個你(ハイプシ イガ ニー) 還不是在這裡(ハイプシ ツァイ チャーリー) 還不是哭的我(ハイプシ クゥダ ウォ) 還不是癡的你(ハイプシ チュダ ニー) 還不是都在這裡(ハイプシ トゥオツァイ チャリー) 全部「還不是」で言い聞かせるように歌われるんですよね。 どう訳すかは各々なところはあるのですが、 まだあの日の私じゃない まだあの日のあなたじゃない まだここにはいない まだ私は泣いていない まだあなたは私に夢中じゃない まだあの日の二人はここにいない って感じですかね? |
懐かしい大切な人と再会して、わぁっとあの頃に戻りそうな自分を必死に抑えてる感じがいいんですよね。
気持ちは瞬間昔に戻ってるはずなのに、もう戻れない現実に必死に「待って、待って、」としてる感じがもう切ない!
これぞ「永遠の一瞬」、「雪月花」の「ああそんなに眩しい目でみつめないで」って気持ちにも通じるところがあります。
この中国語歌詞の同じ構造で表現していける、同じ構造を使う事で後ろのフレーズも更には前のフレーズにさえも意味を堆積してゆけるところが、
とても面白く、日本人としては羨ましい所でもあります。日本語でこれやると歌ったときにどうしてもわざとらしい感じになりますしね。
何度目かのサビの後、ゆったりと胡弓が入って二人がぐーっと過去に戻っていく感じのアレンジも素晴らしい!
この過去が二人の若い頃にも思えるし、もっと前の前世のような感じもします。これ聴くと「前塵」というニュアンスが分かる気がします。
この素晴らしい編曲は倫永亮さん、胡弓入れたいってのはサンディ自身のアイディアだそうです。
この曲は90年の「Faces And Places」ってアルバムに入っていて、このアルバムは全体的にはダンスミュージックなんだと思いますが、
こういったノスタルジックな曲も入ってるような決してリズム依存してない、エレガンスのあるアレンジやミックスが独特なんですよね。
洗練された都会感と前世のノスタルジー、そしてチャイナ感、・・・ちょっとだけ「天国のドア」っぽいかなとも思いましたが、
いやいやいや、やっぱこのアルバムだけで味わえる世界感ですね。
この「Faces And Places」はなぜかApple Musicで配信されていなくて、日本からはAmazon MusicかSpotifyで聴くことが出来ます。
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※ 実はこのアルバム「Faces And Places」の8曲目の「前塵」はオリジナルディスクには広東語バージョンが収録されていましたが、
AmazonMusicの配信は上述の普通語 (國語)バージョンに差し替えられてしまっています。
普通語バージョンは台湾市場向けのアルバム「都市心」のために制作されたバージョンでした。
●1月21日 管理人
相変わらずサンディー・ラムを聴いていますが、彼女の92年10月のアルバム「回來愛的身邊 (Come Back to Love)」がなんと
空間オーディオで、1曲目の「醒醒」は鈴の音(クレジットによるとTemple Bells)がまわっていますし、
9曲目のファンクっぽい「始終一天」は完全に声が後ろから聴こえます。
92年と言えばユーミンも「Tears and Reasons」でヴァーチャルオーディオシステムを使った空間オーディオを取り入れていましたが、
この時期はこういうのが流行り出したときだったのかもしれませんね。
CDには歌詞カードとは別冊のブックレットが付いており「プロデューサーの話」と題して謝辞が述べられているのですが、
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レコーディングやこの立体音響についても少し紹介されています。 それによると「香港で初めてRSSを採用したアルバムでもあります」とのこと。 シンセやリズムマシーンで有名なローランドが開発した RSS (Roland Sound Space)は当時業界では有名な立体音響システムだったようで、普通のステレオスピーカーだけで前方以外に音を定位させることが出来るそう。 実際にステレオスピーカーだけで聴いてみましたが、確かに後ろから音がしますし、 そういう飛び道具的な音以外も、左右に広く音像が広がっている気がします。 左は上述の「醒醒(シンシン)」40秒あたりから出てくる鈴の音が廻るのですが、 PCのしょぼいスピーカーで聴いてもなんとなくPCを離れて左右に動きまわる感じが するんじゃないでしょうか?? |

Google翻訳による翻訳。ちなみにRSSのプロセッシングおよびMIXは日本人の浜野織音(おりね)氏とシンガポールの王紀華氏。
ちなみに上で紹介したのはファンキーな曲ですがアルバムにはしっとり目の曲もあります。
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ふと、このRSSって自分は何で知ってるんだろう?そういえばロゴも見たことあるな、と思ったら、、、

ユーミンの91年「ドーンパープル」のクレジットに載ってるんですよね。
当時このアルバムのPRではRSS自体はほとんど紹介されていなかったと思いますし、Special Thanksへロゴがあるだけなので
全体的に使ったわけではないかもしれませんが、ためしに久しぶりにスピーカーで「ドーンパープル」を聴いてみました。
気持ち音像が広いかもというプラシーボ的な事を除くと、「千一夜物語」の間奏明け ♪熱いキッス 熱いキッス が後ろから聴こえますね!
ヘッドフォンで聴くと「誰かがあなたをさがしてる」の ♪ファイバーの迷宮で も後ろ側廻ってるように聴こえますが、
スピーカーで聴くとイマイチわからない感じですね、シャンシャンとした鈴のような音は、左側の回り込んだところから鳴りますが。
音像全体も上下左右に広がってる感じはします。
ということでユーミンも「ドーンパープル」で少しだけ立体音響にチャレンジしてたのかも?という話でした。
●1月14日 管理人
苗場のグッズが発表されていますが、今回久しぶりにデザイン統一されていてセットで見てよい感じですね。
今までも統一されてなかったわけではないのですが、最初に発表されるアートワークとあんまり関係がなかったり、
デザインが2ライン走ってたりでなんかごちゃっとしてたのと、なんというかあんまりアイコニックなアイテムが無くて、
この10年くらい本当に興味がない感じでした^^;あとは公開されるグッズのメイキング動画がどうにも怠いんですよね。全員二日酔い?みたいな(笑)
ちなみに今回の柄のスワトウは中国の地名「汕頭」のカタカナ読みです。ただ、中国語の発音は「シャントウ」なので、ちょっと遠いんですよね。
ペキンとかアモイとかもそうですが、日本ではなぜだか中国語から遠い発音を使う地名があってなんでやろうな?と思ってたのですが、
調べてみると、どうも江戸末期に英語経由で仕入れた発音なんだそう。英語訛り、江戸訛り・・・なんでしょうか(笑)
今回、ちょっとこの中国柄がしっくりくるのは、ユーミン全然関係ないのですが、私がサンディ・ラムにはまってるからでしょうね(笑)
もう年末からずーっと聴いていて、ユーミン1としたらサンディー3くらいで聴いてますし、間違いなく2026年は私のサンディー・イヤーですね。
サンディーも40年のキャリアがあるので、まだ私が聴けてるのはデビューから10年間、90年代半ばまでですが、もうここがかなり素晴らしい。
85年デビューで、最初こそ日本のアイドルカバーでしたが、3枚目あたりから一気にシティポップ感出てきて、
80年後半には都市に生きる女性をテーマにしたアルバムが大ヒット。香港で初めてコンセプトアルバムを当てたアーティストだそうです。
別のアーティストに喩えるには本当に失礼な完成度の高さなのですが、
ユーミンで言うやはり80年代後半の都市感に加え、吉田美奈子さんの90年代後半の都市の影みたいなのも感じます。
もちろん2人とは違って、独特のしっとり感もある。当時のAORから仕入れたリズムと香港っぽいしっとり感のブレンド具合が見事で、
やはり「サンディーにしかない!」って思っちゃうんですよね。もうサンディというジャンルな気がします。
これは世界中の音楽と聴き比べてどうか、・・とかではなく絶対的な説得力がある感じです。
この人のために用意された音楽、もっと言うとこの人のための用意された機会なんだなって。
90年代はいると、ディック・リー(FOLTEに参加されてたディックさんです)との出会いがあり、ちょっとずつ昔の中国感が入って来る。
このアーバンな感じに中華アイデンティティが混ざってくるところがまた素晴らしいグラデーションなんですよね。
ディックさんもFOLTEでは「ユーミンとその仲間たち」みたいな扱いでしたが、SSWとしてすごくコンセプチャルな人で、
90年代頭はシンガポール人が持つ2つのルーツ(中国とマレー(実はマレーとポルトガル))を積極的に活かした音楽を模索されていたそう。
まだディックさんのはちゃんと聴けてないのですが、こういう情報を仕入れるだけで「あぁ、聴いてみたい!」って思ってしまいます。
ディックさんも加わったサンディーの91年の「野花」ってアルバムが素晴らしい出来で、
穏やかだけど濃い色が通底してるような、これぞオリジナルアルバム!って感じ。
なんか金沢っぽいなと思って、ユーミンの金沢公演では昼間はこればっかり聴いていました(笑)

この5枚は移り変わりが本当に麗しい90年代初頭のゴールデンイヤーズという感じ。ジャケットもお美しい。
この間、台湾でもデビューされていて、そっちは香港でやってるアーバンとか温故知新的な感じから一転、
脈々とある旧来的な待つ女の王道バラードみたいなのを歌い上げて、あの狭い台湾で60万枚、全中華圏で200万枚のヒットを出していたり、
94年にはアジアから入るのが非常に困難な日本市場に、オール日本語のオリジナルアルバムで挑まれるなど、非常に多彩です。
私はこれまで最近ユーミンのファンになった方は、正直、ちょっと可哀そうだなぁと思っていましたが、
私はサンディーさんの40年目の超出遅れファンになったんですよね。なってみると、ぜんぜん可哀そうじゃない(笑)
ひとつはこのクオリティの過去作がたくさん残っており、AppleMusicとかAmazonMusicとかで月額1,000円で聴けるわけです。
そして、40年分の情報は40年未来のAIテクノロジー使えばいとも簡単に取り出せます。
実際何をやっているかというと、ネットには中国語で書かれた過去の記事や過去のTV出演の動画が山ほどあるので、
それを片っ端からNotebook LMに食わせてたとえば「ディック・リーが彼女に与えた影響は?」とかチャットしながら、情報を抽出しています。
歌詞も簡単に翻訳が出せますし、いまいちニュアンスの分からないところは「ああじゃないか?こうじゃないか?」とAIとやりあってます。
もちろんリアルタイムの体験はどうがんばってもできないわけですが、それでもたった今も楽しめることが目白押しです。
当サイトをやるにあたって(これはだんだんとそうなったのですが、)ただディスコグラフィ載せるだけじゃなくて、
ユーミン作品の時間的な移り変わりや、時代との相互作用みたいなものを、細々した情報から点描のように映し出せたらいいなと思ってるのですが、
サンディーさんのヒストリーからもそういうものを表現できる情報サイトを作りたいなぁと思っています。
それから、上に書いたサンディーさんの日本市場への挑戦は、実はセールス的には上手くいかなかったのですが、
当時の日本市場へのチャレンジがどのくらい難しいことで、それに対し彼女がどのくらい果敢にチャレンジしたのか、というのは
日本人の音楽ファンとしてしっかり把握して讃えたいなと思うのです。
そして密かに当時の若者がガンガン消費していくような日本市場では難しかったけど、今のストリーミングインフラが整った時代の、
過去も見通してゆったりと音楽を楽しめる日本人なら、もっと多くの人が彼女の作品を好きになるんじゃないか?なんて思っています。
丁度、上記のアルバム群のころ、91年の「ヤングジャンプ」のインタビューで、
「“香港のユーミン”と呼ばれていることについてどう思いますか?」って聞かれた彼女は、
「そう思ってくれる人がいたら、光栄ですね」「彼女のキャリアに比べたら、もっともっと私はいろんな事にチャレンジしなければなりません」と
謙虚に返されています。既に中華圏の大スターだった彼女にこう言ってもらえるのは、ユーミンファンとしてはやっぱり嬉しいですね。
また、台湾デビューや日本デビューにあたっての未来のビジョンとして「アジアの音楽が一つになれたら」と仰っていて、
そこからざっと15年後のFOLTEにもそういう想いで参加されてたのかなぁなんて思うと、またFOLTEもより色濃いものに思えてきますね。
●1月12日 管理人
「Wormhole / Yumi AraI」で作りたいなと思ってたページの更新があらかた終わりました。
この後もちょいちょい情報を追記しては行きますが、一旦出来ましたという感じです。
本当に切り口の多い作品で、53年目にしてこれって本当にすごいです!有難いです!
改めて各ページを簡単に紹介しますと、
リリース記録:アルバムのリリース情報やクレジット、トピックを紹介したページ。
聴き比べのページ:聴き比べと言いつつ、このページでやりたかったのは今回のプロダクションを俯瞰的に捉えたものを示すという事。
まぁ私は一ファンなので想像するしかないのですが、作品を聴くこと以外で言うと一番欲しかったコンテンツです。
本当は私の趣味的なコンテンツじゃなくて、オフィシャルか、専門誌でやって欲しかったんですけどね。
今のところレコーディング系の雑誌はスルー??・・・業界ヒストリーとしても面白いネタだと思うのになぁ。
ただ、テレ朝の「EIGHT-JAM」はなかなかこういった切り口からも具体的で面白い番組でした。
ユーミン本人を出した上に、武部さんが音楽的な解説して、更にSynthesizerVのオペまで見せてるという、
あの短時間でライトファンからマニアまで幅広いニーズをカバーした素晴らしい構成だったと思います。
└ 2ch聴き比べ: 各2MIX音源とDolby Atmos 2.0chのヘッドフォンでの聴き比べです。今回形態が多いので壮大な聴き比べを予想してたのですが、
意外と2MIX系がパッと聴いて面白いほどマスタリングが違ってなかったという印象です。
過去作はハイレゾとCD/ロスレスがそこそこ違っていたのですが、今回は同じじゃないかな?という気がしてます。
└ 5ch聴き比べ: 空間オーディオを5つのスピーカーを使って聴いてみたレポート。
聴き比べというよりは単純にこう面白かったみたいなレポートですが、Dolby AtmosとDTSの聴き比べなどもやってます。
└ ヴォーカルに注目:今回AIヴォーカルが使われているので、ヴォーカルだけを取り出してみて聴いてみました。
ミックスされた状態が完成された状態なので、こういうことをするのは無粋なのですが・・・でも面白いです。
└ AIヴォーカル賛否:Yahoo!ニュースにいろいろ書き込みがあったので、賛否それぞれどういう論点があるのかをまとめてみました。
賛/否納得いかない方は逆の意見の論点にどう答えるか?考えてみるとスッキリするかもしれません。
ただし発売直後の記事だったため、「演出として面白いかどうか」って視点がほぼないのと、
書き込んでない方が多数いらっしゃる、書き込みが意見の全てではないという事に注意して見てください。
更に改めていちファンとして、今のところ抱いている今作がどうだったかと言うところをいくつかまとめてみたいと思います。
(ただし、作品としてどうかと言うところは端的に表現するもんでもないと思うので避けておきます。)
AIヴォーカル
やっぱAIヴォーカルがどうかと言うところだと思いますが、私は本当に面白いなぁと思いました。
AIヴォーカルはざっと二役あると思うのですが、一つ目の役割はリアルヴォーカルの補い。
今の声だと曲によってはどうしてもお婆ちゃんっぽい声に聴こえてしまうというか、声質が不必要に意味を持ってしまう曲が出てきてしまうので、
そこをフラットにする意味でAIで若い声を作るという事に意味があると思います。若い声が全くの新曲を歌うというのも面白い。
もう一つの役割は演出としての面白さですね。「Cinnamon」や「星の物語」なんかはそうですが、
パッとAI声が入る音的な面白さや、別人格としての演劇的な役割付けとか、現在・過去/未来の表現分けがまぁ面白い。
補いだけじゃない、演出として面白く使うのが流石ユーミン!って感じですね。
たとえユーミンが今もみゆきさんやまりやさんくらい歌えたとしても、AI使う演出的な面白さはあると思います。
AIヴォーカルの真正性に疑問と言う意見はわからないではないのですが、そもそも録音して電気ミックスして電気エフェクトかけて、
・・ということは何十年も前からやっていて、じゃ、リスナーにとってそれとAIヴォーカルとが何か違うのか?と思うと、
あんまり違わない気がするんですよね。
AIヴォーカルとプロモーション
AIヴォーカルというのがとても面白い所なのですが、それを上手くPR出来ていたか?というと私はあんまりだったなと思います。
私が思うAIヴォーカルを役割は上記の通り@今のヴォーカルの補い、A演出の面白さですが、
今のリアルユーミンの歌声を聴くとどうしても真っ先に@が浮かぶんですよね。
ただ、各プロモーションの中で@の役割には直接的に触れておらず、Aについてもものすごく弱い。
そのうえで、「AI使った」って事とコンセプトだけが語られるので、どうしても@の誤魔化しのように映る気がするんです。
賛否を見てるとそんな気がしますし、昨年末の紅白出演もその後押しをしてしまった感じがあります。
私はAをもっと強く見せるべきだったと思います。テクノロジーの面白さや、演出としての面白さって、多くの人が共感するところだと思います。
あとは@も誰しも老いは来るんですから、それでも表現したことがあるんだからテクノロジーを使い倒すってことをもっと潔く言っても良かったと思います。
高齢化社会、かつ、AIが導入され始めた社会。ユーミンの今回の取り組みが刺さる人、それに励まされる人がいっぱいいると思うんですよね。
一方、ファン向けのクローズなPRで良かったのは、シネマでの試聴会ですね。大阪エキスポは音楽聴くにはあまり良い環境ではなかったですが、
それでも、ああやって期待度の高いファンが集って一つの事物に集中するってのはいいなぁと思いました。
アートワークとスペシャルボックス
今回、不思議な恰好したユーミンとブルーグレーな感じのティザーやポスターはすごく良かったですが、
ジャケットは過去ワーストじゃないかと個人的には思っています。
やはり残るのは通常盤なので、通常盤ジャケットをまずしっかり作って欲しいのですが、デザインも紙質や印刷も平凡で、
正直レンチキュラーの犠牲になった感じがしますね。レンチキュラーありきで作ったら通常盤が平凡になっちゃったみたいな。
かといって、レンチキュラーが良い出来かと言うと、何を見せたいのか良くわからん中途半端なアニメーションで。。。
たぶん配信で見れるyマークがぐるっと回るのを見せたかったんでしょうけど、傾けて見てもそうは見えないし、最初と最後のコマが繋がってないんですよね。
途中のコマもそれだけ見ると意味不明で、レンチキュラーコンサルみたいな人をつけないといけないのでは(笑)
ジャケットと特典映像で発売が遅れるというアナウンスがありましたが、正直遅れてコレかよ!?と思っちゃいました。
スペシャルボックスも私的にはイマイチな出来で、まずスポンジがクサい(笑)、
あれって中のスポンジに使われたウレタンの発泡剤の臭いじゃないか?と思うんです。匂いというよりは科学的な”臭い”ですね。
LPもカセットもグッズとしては面白いのですが、どちらも音はイマイチで、なのに高額!!
もう高額の中途半端なアイテム増やさないで欲しいというネガな印象持ってしまいました。
あの音質なら普通に4,000円の単独LPで出して欲しいですし、音質拘るならステレオサウンドでやってるような1万円くらいのLP出して欲しいです。
空間オーディオ
今回、Dolby Atmosバージョンがすごく良かったです!!
空間オーディオは遊びすぎると音楽として散漫になってしまいますが、ただサウンドルーム試聴の再現ではちょっと詰まんない・・・。
この中間を上手い事やった好事例じゃないかと思います。これは金字塔としてもっとPRされてもいいのになぁと思います。
この面白さが、AIヴォーカルの役割に一つの正当性を与えてると思うんですよね、演出上面白いというところに。
特典BDのほうのはDTSが収録されましたが、どうせならDolby Atmosを収録してほしかったですね。
どうも、配信: Dolby Atmos、BD: DTSという分け方をするケースが多いようですが、BDにもDolby Atmosを収録できるようです。
今のところ、ユーミンのDolby Atmosはストリーミングのみで、AppleやAmazonがサービスをやめてしまったら、
あるいは音源が引き上げられてしまったら、もう聴くことはできません。やはり、手元に置いておきたいんですよね。
本作の空間オーディオのレビューって簡単な呟き程度ですらほとんど見ないのですが、
やはりマルチスピーカーで楽しむのはなかなかハードル高いんでしょうかね。
システム用意するのも高額ですし、用意しても設定にいろいろ落とし穴があったり。
私はAIに取説突っ込んで、色々質問しながら設定しましたが、やはり「これであってるんんだろうか?」という疑問は残ります。
(ただし、ヘッドフォンで聴くDolby Atmos 2.0ch のほうはだいぶん簡単に楽しめます。
また、そのままアナログにステレオ録音すれば、手元にも残ります。基本的にストリーミングサービスは録音NGだとは思いますが。)
この面白いDolby Atmosバージョン、もっと日の目を見てほしいですね。
こんなところですが、もう少しだけ大きいところでは、
今回は、AIヴォーカルがどうのこうのというよりも、「もしかしたらユーミンは永遠かもしれない」と思わされた、
ちょっと新しい次元に踏み込んだ気のする作品と言うか出来事だったと思います。
いちおう、AIに人間をコピーできるか?という問いは、
AIには人間が持つ自意識が無く、人類史上まだ自意識の客観的発見がなされていないようなので、それをAIに与えることはもちろん出来ず、
「AIで人間のコピーを作ることは出来ない」ってのが答えのようですが、
ユーミンの自意識をファンが観察できない以上、外面をそっくりに模倣するAIユーミンが出来たとして、
それをファンが「ユーミンではない」と判断するのはかなり難しいんじゃないかと思います。
まぁ、AIで作りましたって言われた瞬間「ユーミンじゃない!」っていとも簡単に言えてしまうんですけど(笑)
●1月2日 管理人
あけましておめでとうございます。
ユーミンのサッポロビールCM特別編見たさに箱根駅伝をのベーっと見ていました。
サッポロが冠みたいなのでもっとガンガンCMが流れるのかと思ったのですが、意外となっかなか流れない。
番組は6時間くらいあるのですが、流れるのは開始から1回目1:18:00 頃と2回目2:26:00頃、あとはあったかなぁ??
CMの構成としては、CINNAMONのオリジナル部分が前後にあって、間に通常CMをはめ込んでる感じでしょうか。
1回目と2回目は通常部が違うだけで、CINNAMON部分は同じだったように思います(ちゃんと確かめてませんが)。
で、CINNAMONオリジナル部分はなんと「ミスリム」ジャケットの荒井由実がピアノに向かわず
ピアノ椅子に座ってギターを弾いているという、ちょっと衝撃映像でしたね。
たぶんAIの生成動画だとおもうので、そのせいというのもあるのですが、持ってる楽器が違うとあまり荒井由実に見えないんですよね。
すごく不思議な映像でした、まさに別の可能性を生きている荒井由実という感じ。
CINNAMONはヴォーカルが挿し変わっていて、リアルユーミンのパートもたぶん低めのAIヴォーカルになっています。
演奏も一部ミュートにして徐々に足してく感じ・・・だったかな??
このサッポロビールCMがいくつあるのかややこしいので公式YouTubeにあるぶんを纏めてみました。
なんとサッポロビールの公式にあがっているものだけで10篇もある!!
■ サッポロビール公式 通常CM(15秒版、30秒版)
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作詞とは篇 |
笑顔と涙篇 |
時のデザイン篇 |
わかりやすさ篇 |
新しさと懐かしさ篇 |
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15秒 |
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30秒 |
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曲は無限に篇 |
アイディア篇 |
弱音篇 |
優しさ篇 |
過去の自分へ篇 |
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15秒 |
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30秒 |
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■ 1/2, 1/3の箱根駅伝で放送した特別CM(60秒版)
※ 今のところWeb公開無し、<>は60秒版にしかないシーンです。
その1〜4までは「CINNAMON」のCMオリジナルMIXが流れます、それ以外は15秒、30秒版と同じ「Around the world」です。
AIに動画を調べさせたので、もしかしたら違っているかもしれません。
その1:<CINNAMONシーン> + 笑顔と涙篇 + 弱音篇 + <2人で撮影シーン>
その2:<CINNAMONシーン> + 時のデザイン篇 + 過去の自分へ篇 + <2人で撮影シーン>
その3:<CINNAMONシーン> + 曲へ無限に篇 + <歌で届けたいもの> + <2人で撮影シーン>
その4:<CINNAMONシーン> + <過去とは> + <たった1つの曲で人生は変わるか> + <2人で撮影シーン>
その5:優しさ篇 + 作詞とは篇 + <作詞が苦手> + <2人で撮影シーン>
その6:新しさと懐かしさ篇 + <物語や小説は書かない> + <大人とは> + <2人で撮影シーン>
その7:<天才について> + <なぜ人が歌に魅了させるのか> + <誇りとは> + <他人の曲への嫉妬> + <2人で撮影シーン>
■ oricon公式(19分)
過去の自分篇(15秒) + 時のデザイン篇(15秒) + わかりやすさ篇(30秒) + 笑顔と涙篇(15秒)
+ メーキング(短) + 妻夫木聡xユーミン対談 + 妻夫木聡インタビュー
■ MANTAN TV公式(20分)
わかりやすさ篇(30秒) + 笑顔と涙篇(30秒) + 過去の自分へ篇(15秒) + 時間のデザイン篇(15秒)
+ メーキング(長) + 妻夫木聡xユーミン対談 + 妻夫木聡インタビュー
■ moviecollectionjp公式(6分30秒)
わかりやすさ篇(30秒) + 笑顔と涙篇(30秒) + 過去の自分へ篇(15秒) + 時間のデザイン篇(15秒)
駅伝って実は初めて見たのですが、解説聞いていてへぇーそうなんだと思ったのは、
1人の走者が集団をコントロールするという事や、集団共通の利害からくる全体意識みたいなものがあるという事ですね。
走者の心理と言うのは、単純に周りより速く走りたいというような単純な物かと思っていました。
このへんは長距離とか中距離競技をされてた方にとっては当たり前の話かもしれませんが。。。
私はたまに泳ぎに行きますが、確かに前の人が遅いからと言って「追い抜く」というのはけっこう労力のいることで、
抜いた後同じペースで進んでいけるかというとそうではありませんし、抜き返されるかもという新たなフェーズに遷移してしまう。
そうなると、今の均衡が崩れてどんどん追い抜き合いの、つまりは体力消耗しまくる勝負になってしまうかもしれない。
この「追い抜きにくい」という心理を知っていれば、集団の先頭を走って、あえて集団のペースを落とすってこともあるし、
集団心理としては、出来ることならチャンスが来るまで無理して追い抜かずにゆっくり(というかマイペースで)走りたいから有難いみたいな・・・
・・・ちょっとだけ想像できます。体使った競技でなくてもオークションなんかも似たようなところがあるかもしれませんね。
ま、私は駅伝競技やってないので違うかもしれませんが。。。
ユーミンも仰ってますが、ユーミンきっかけに新しいことを知ったり考えたりするのは面白いですね。