東芝EMIカセットテープベスト

 

ユーミンはレコード会社の制約をあまり受けずに原盤を自由に扱える(実は珍しい)アーティストですが、82年まではそうではありませんでした。

その時期は、東芝EMIが原盤を持っていたようで、同社から多くのカセットテープベストが発売されていました。

この頃のアーティストは、単発シングルに合わせてベストアルバムを発売するという事をよくやっていましたが、

ユーミンに関してはLPでのベスト盤リリースは行わず、カセットテープの発売で済ませてもらっていたようです。

このページでは、そんな東芝EMI時代のカセットテープベストについて掲載します。

いわゆる"非公式"ではありますが、オンタイムで出ていたベストで、ユーミンにもそういう時代があったということで掲載したいと思いました。

なお"アルファもの"についてはオンタイムでないので興味がなく、掲載しておりません。

 

 

荒井由実の世界     75.10.16に「BEST NOW 荒井由実」と改題。

   カセット:ZX-1532 1974.10.16 * エキスプレス/東芝EMI * ¥?

カートリッジ:YX-8532 1975.10.16 * エキスプレス/東芝EMI * ¥3,000

   恐らく最初のベスト。「ひこうき雲」「ミスリム」から16曲を選曲。
「ミスリム」はLPと同時にカセットが発売されなかったが、本作はその全曲収録しており、ほぼほぼ「ミスリム」のカセット版のような企画。
発売日も「ミスリム」とほぼ同時、ジャケットも「12月の雨」と同じ写真が使われていた。

   当初は74年にカセットのみで「荒井由実の世界」として発売、75年に東芝EMIテープのBEST NOWシリーズとして再発売。
なお、74年時点でYX-8532は欠番になっており、8トラは発売されなかったものと思われる。

   ジャケット写真は上述の通り初期は「12月の雨」のジャケット写真、「BEST NOW」では白い巻ジャケットにユーミンの写真に変更。

   売上4.1万本

   収録曲

     カセット:

A: 12月の雨、瞳を閉じて、生まれた街で、やさしさに包まれたなら、

  魔法の鏡、たぶんあなたはむかえに来ない、私のフランソワーズ、旅立つ秋

B: ひこうき雲、曇り空、空と海の輝きに向けて、きっと言える、

    ベルベット・イースター、雨の街を、あなただけのもの、海を見ていた午後

カートリッジ:

1: 12月の雨、魔法の鏡、私のフランソワーズ、曇り空

2: 瞳を閉じて、やさしさに包まれたなら、海を見ていた午後、雨の街を

3: ひこうき雲、ベルベット・イースター、たぶんあなたはむかえに来ない、旅立つ秋

4: 生まれた街で、あなただけのもの、空と海の輝きに向けて、きっと言える

 

 

BEST NOW YUMING BRAND

   カセット: ZX-1582 1976.7.5 * エキスプレス/東芝EMI * ¥2,800

カートリッジ: YX-8582 1976.7.5 * エキスプレス/東芝EMI * ¥3,000

   もとは「YUMING BRAND」のテープ版として発売されたが、
しばらくして東芝EMIの「BEST NOW」シリーズに。ジャケットも上記「BEST NOW 荒井由実」と似たようなものに変更。

   売上12.9万本

   その他情報はこちらに掲載

 

 

BEST NOW YUMING BRAND

   カセット: ZT30-128 1977.11.16 * エキスプレス/東芝EMI * ¥3,000

カートリッジ: YT32-128 1977.11.16 * エキスプレス/東芝EMI * ¥3,200

   上記の再発盤。ジャケットはユーミンのライヴ写真。

   売上0.2万本

   その他情報はこちらに掲載

 

 

ユーミン best10

   ZT22-984 1978.11.5 * エキスプレス/東芝EMI * ¥2,200

   アルバム「流線形'80」と同時発売。荒井由実、松任谷由実楽曲の混在ベスト。

   ジャケット写真は「流線形'80」の宣材写真のユーミン。

   売上0.1万本

   収録曲

A: 翳りゆく部屋、あの日にかえりたい、ルージュの伝言、潮風にちぎれて、静かなまぼろし

B: 遠い旅路、入江の午後3時、ハルジョオン・ヒメジョオン、罪と罰、12月の雨

 

 

ユーミン best selection

   ZT25-391 1979.6.20 * エキスプレス/東芝EMI * ¥2,500

   シングル「帰愁」と同時発売。荒井由実、松任谷由実楽曲の混在ベスト。

   ジャケットは「帰愁」ジャケットの別ショット。

   収録曲

A: 帰愁、稲津の少女、埠頭を渡る風、入江の午後3時、ルージュの伝言、12月の雨

B: 翳りゆく部屋、あの日にかえりたい、中央フリーウェイ、きっと言える、やさしさに包まれたなら、遠い旅路

 

 

ユーミン大全集

   ZT30-433 1979.8.20 * エキスプレス/東芝EMI * ¥3,000

   荒井由実・松任谷楽曲の混在ベスト。

   ジャケット写真は荒井由実時代のもの。

   売上5.3万本。

   収録曲

A: あの日にかえりたい、ルージュの伝言、恋のスーパー・パラシューター、ベルベット・イースター、曇り空、やさしさに包まれたなら、

  海を見ていた午後、魔法の鏡、コバルト・アワー、何もきかないで、中央フリーウェイ

B: 翳りゆく部屋、朝陽の中で微笑んで、きっと言える、ハルジョオン・ヒメジョオン、紅雀、ランドリー・ゲイトの想い出、

  埠頭を渡る風、入江の午後3時、帰愁

 

 

BEST NOW 松任谷由実

   ZT30-526 1979.12.20 * エキスプレス/東芝EMI * ¥3,000

   アルバム「悲しいほどお天気」と同時発売。「悲しいほどお天気」含む松任谷由実アルバム4作から選曲。

   ジャケット写真は「悲しいほどお天気」の宣材写真。

   収録曲

A: 悲しいほどお天気、緑の街に舞い降りて、DESTINY、埠頭を渡る風、静かなまぼろし、魔法のくすり、入江の午後3時、真冬のサーファー

B: 帰愁、冷たい雨、稲妻の少女、ツバメのように、ハルジョオン・ヒメジョオン、地中海の感傷、紅雀、ランドリー・ゲイトの想い出

 

 

adres 松任谷由実ベスト

   ZT30-663 1980.10.21 * エキスプレス/東芝EMI * ¥3,000

   ハード・ソフト共に展開していた高音質adresシリーズのユーミン編。

   ジャケット写真はロンドン旅行時のもの。

   収録曲

A: 9月には帰らない、紅雀、埠頭を渡る風、真冬のサーファー、最後の春休み

B: 帰愁、DESTINYESPER、白日夢・DAY DREAM、星のルージュリアン

 

 

PURE GOLD 松任谷由実 BEST 10

   ZT25-965 1981.5 ? * エキスプレス/東芝EMI * ¥2,500

   上記ZT30-663の通常音質版。

   ジャケット写真、収録曲はZT30-663と同じ。

 

 

BEST NOW 松任谷由実 DESTINY

   ZH33-1001 1981.6.5 * エキスプレス/東芝EMI * ¥3,300

   ジャケット写真はシングル「星のルージュリアン」ジャケットの別ショット。

   売上3.1万本

   収録曲

A: よそゆき顔で、DESTNY9月には帰らない、Miss Lonely、星のルージュリアン、5cmの向う岸、真冬のサーファー、Corvett 1954

B: 彼から手をひいて、かんらん車、悲しいほどお天気、緑の街に舞い降りて、稲妻の少女、まぶしい草野球、雨に消えたジョガー、78

 

 

BEST 10 松任谷由実 守ってあげたい/DESTINY

   ZH23-1086 1981.11.21 * エキスプレス/東芝EMI * ¥2,300

   ジャケット写真はアルバム「昨晩お会いしましょう」の宣材写真。

   売上2.5万本

   収録曲

A: 守ってあげたい、埠頭を渡る風、まぶしい草野球、星のルージュリアン、スラバヤ通りの妹へ

B: DESTINY、よそゆき顔で、ESPER、稲妻の少女、白日夢

 

 

BEST NOW 松任谷由実 守ってあげたい

   ZH33-1230 1982.9.1 * エキスプレス/東芝EMI * ¥3,300

   ジャケット写真はアルバム「昨晩お会いしましょう」の宣材写真。

   恐らく最後のベストテープ。

   収録曲

A: カンナ8号線、守ってあげたい、サーフ天国, スキー天国、最後の春休み、

  DESTINY、ナビゲイター、ためらい、HONG KONG NIGHT SIGHT

B: 埠頭を渡る風、セシルの週末、灼けたアイドル、スラバヤ通りの妹へ、

  入江の午後3時、気ままな朝帰り、潮風にちぎれて、夕闇をひとり

 

 

松任谷正隆著「僕の音楽キャリアすべて話します」(16年、新潮社)には、

「守ってあげたい」でベストテンに出演した頃、初期作品の多くの原盤権をレコード会社より買い取ったという記述があります。明記はありませんが、恐らく東芝EMIが持っていた松任谷初期の作品のことで、カセットテープベストが発売されなくなった時期と重なります。以降、原盤製作費はユーミンの事務所・雲母社より捻出し、使用権も雲母社で持っているようです。

なお、これも明記はありませんが、荒井由実時代の原盤についてはアルファからの買い取りが難しかったようで、90年代後半まで"アルファもの"ベストアルバムの発売が続きます。