配信音源について
このページでは18年と19年の配信音源について詳細に紹介します。
18年は既存楽曲の一斉配信が、19年はハイレゾ音源の配信が始まりました。下記の理由から、これら両企画の音源について詳細に書いたページをつくりました。
・ シングルやベストの配信も行われていますが、必ずしもこれらのオリジナルディスクに収録された音源のリマスタリングではないこと。
・ 一部の楽曲にFO処理や、音源の追加が行われていること。
・ リマスタリングが企画上重要な要素であり、18年と19年の音源はマスタリングが異なる事
また、もともとは18年のマスタリングは圧縮音源用、19年のマスタリングはハイレゾ用という立て付けで、このページもそれに従っていますが、
後にロスレス音源の販売開始や、圧縮音源のみを配信していたサービスがハイレゾ配信を始めたりしたことにより、必ずしもこの立て付けではなくなってきているかもしれません。
(例えばAmazon Musicは圧縮音源の配信においても19年版の音源が使われています)。
正直、サブスクのストリーミングにおいては、どのサービスからどちらの音源が配信されているのか、全てはわかりませんし、各サービスも明確に示していません。
下記の楽曲は18年版と19年版で明確に違う音を収録していますので、これらで判断できるかと思います(どう違うかは下記表内参照)。
・Miss BROADCAST ・Happy Birthday to You ・千一夜物語
・ 2018.9.24 * Universal Music LLC / EMIレコード・ジャパン * 1曲¥250あるいは\257
・ 合計423曲をダウンロードと初の試みであるサブスクリプション(定額聴き放題)で一斉配信。
・
全曲GOH HOTODAによる圧縮配信を考慮したリマスタリング音源。
プロデューサーの松任谷正隆は配信に踏み切ったきっかけとして彼との出会いをあげている。「GOHさんの配信用マスタリングはまるで3D眼鏡をかけて映画をみるみたいだったから。」
・ サブスクリプション配信サイトは公式サイトを参照。※ 2022年9月現在Amazon Musicでは加入サービスにかかわらず2019年版の音源が配信されているようです。
・ ダウンロード購入可能な音源と価格は下記の通り(2018年10月現在)。
配信サイト |
ビット深度/ サンプリング周波数 |
ファイル形式/ビットレート |
アルバム購入価格 |
1曲価格 |
iTunes Store |
16bit/44.1kHz |
AAC-LC/256kbps |
2曲収録:¥500 4曲収録:¥1,000 7曲収録:¥1,700 9~14曲収録:¥1,800 30~33曲収録:¥2,200 45~46曲収録:¥2,500 |
¥250 |
mora |
AAC-LC/320kbps |
¥257 |
||
レコチョク |
? |
AAC/128kbps, 320kbpsから選択 |
¥250 |
|
OTOTOY |
16bit/44.1kHz |
ALAC, FLAC/(可逆圧縮)* WAV/1,411kbps (非圧縮)** 上記3種から選択 |
2曲収録:¥800 4曲収録:¥1,600 7曲収録:¥2,720 9~14曲収録:¥2,880 30~33曲収録:¥3,520 45~46曲収録:¥4,000 |
¥400 |
* 1,411kbps相当で再生されるものと思われる。 ** なんと直接編集可能なWAVファイルをダウンロードできる。
・ 基本的に複数のアルバム、シングルに同一曲が含まれる場合、これらは同一音源になっている模様。ただし、商品としては別になっている。
・ ジャケットは曲ごとに収録アルバムかシングルのものが音楽ファイル内に埋め込まれている(ただしWAVを除く)。
・ 世界配信用に全曲に英題があてられている。日本語OSからのアクセスでは基本日本語表示だが、YouTubeの公式チャンネルでは英題を見ることが可能。
・ CMコピー「これからはじめてユーミンを聴けるしあわせな人たちへ。」「恋とか人生に迷ったら、ユーミンに聞いてみよう。」→ YouTubeの公式チャンネル
・ 配信を記念してWIZYにてBluetoothワイヤレスイヤフォンを限定発売¥22,800。詳しくはWIZYのサイトへ。
・ 配信音源の詳細は下記の通り。
■ オリジナルアルバム/セルフカバーアルバム
・オリジナルアルバム全38作とセルフカバーアルバム「FACES」を配信。ライヴアルバムは対象外。
・「紅雀」~「VIVA 6x7」は初配信、「天国のドア」以降は初リマスター。
・基本的にオリジナルアルバムをベースとしたリマスタリングだが、一部は単曲購入を考慮してオーバーラップの解消やりプライズカットなどの処理が施されている(下表備考欄参照)。
・本企画以前に配信されていたアルバムは全て販売終了し、本企画で新たに新音源、新価格で発売されている。
タイトル |
備考 |
|
タイトル |
備考 |
ひこうき雲 |
「そのまま」~「ひこうき雲」のオーバーラップなし 。 全体的にテープのヒスノイズが過去のマスターよりも低減されている。 |
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天国のドア |
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MISSLIM |
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DAWN PURPLE |
|
COBALT HOUR |
|
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Tears and Reasons |
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14番目の月 |
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U-miz |
「自由への翼」とナホバ族の語りのオーバーラップなし。語りは「HOZHO GOH」側に。 |
紅雀 |
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THE DANCING SUN |
「春よ、来い」のリプライズがカット。 |
流線形’80 |
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|
KATHMANDU |
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OLIVE |
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Cowgirl Dreamin' |
「最後の嘘」FO処理および「まちぶせ」終了後のリプライズがカット。 |
悲しいほどお天気 |
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スユアの波 |
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時のないホテル |
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FROZEN ROSES |
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SURF&SNOW |
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acacia |
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水の中のASIAへ |
アルバムではなくシングル/EP扱い。 |
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Wings of winter, Shade of summer |
「ただわけもなく」~「Rodeo」のオーバーラップなし。 「雪月花」~「Painting the sea」のオーバーラップはそのまま。 |
昨晩お会いしましょう |
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Yuming Compositions: FACES |
「オーシャン・ブルー (blue version)」の配信はなし。 |
PEARL PIRCE |
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VIVA! 6x7 |
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REINCARNATION |
「ずっとそばに」~「ハートはもうつぶやかない」のオーバーラップなし。 |
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A GIRL IN SUMMER |
「時空のダンス」のイントロに新たな効果音を被せている。 |
VOYAGER |
|
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そしてもう一度夢見るだろう |
「ハートの落書き」~「Flying Messenger」および 「夜空でつながっている」~「人魚姫の夢」のオーバーラップなし。 |
NO SIDE |
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|
Road Show |
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DADIDA |
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POP CLASSICO |
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ALARM a la mode |
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宇宙図書館 |
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ダイアモンドダストが消えぬまに |
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Delight Slight Light KISS |
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LOVE WARS |
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■ ベストアルバム
・公式ベスト7作品を配信。77年「ALBUM」や香港公演記念盤などは対象外。
・既発CDのマスターをベースとしたリマスターではなく、上記オリジナルアルバム構成音源で構成。本企画の配信においては上記アルバム収録曲で構成されるプレイリストに近い形態。
・ベスト盤固有曲も一部を除いてリマスタリングされ、再び入手可能になっている(備考欄参照)。
タイトル |
備考 |
YUMING BRAND |
「あの日にかえりたい」「翳りゆく部屋」新規マスタリング音源含む。 |
Neue Musik |
「VOYAGER」「groove in retro」「愛は...I can't wait for you, anymore」新規マスタリング音源で入手可能に。「卒業写真 (special track)」の配信はなし。 CDでF.O.のタイミングが早くなっていた「VOYAGER」はオリジナルシングルと同じ長さに。 |
sweet, bitter sweet |
「潮風にちぎれて」「ナビゲイター」「One more kiss」新規マスタリング音源で入手可能に。「あの日にかえりたい (acoustic version)」の配信はなし。 |
SEASON SCOLOURS 春夏撰曲集 |
|
SEASON SCOLOURS 秋冬撰曲集 |
「星のルージュリアン」新規マスタリング音源で入手可能に。「あの日にかえりたい (CM version)」の配信はなし。 |
日本の恋と、ユーミンと。 |
「あの日にかえりたい」「翳りゆく部屋」新規マスタリング音源含む。 |
ユーミンからの、恋のうた。 |
|
■ シングル
・ディスクで発売された全41作をカップリングも含めて配信。ただし、オリジナルカラオケやインスト、コラボシングル曲は対象外。
・基本的にオリジナルアルバムまたはベストアルバムと同じ音源で構成(例外は下表の備考欄に記載)。本企画の配信においては上記アルバム収録曲で構成されるプレイリストに近い形態。
・「返事はいらない」~「虹の下のどしゃ降りで」まではシングルとしては初配信。
タイトル |
備考 |
|
タイトル |
備考 |
返事はいらない |
「空と海の輝きに向けて」含めてシングルバージョン。 |
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SWEET DREAMS |
「SWEET DREAMS」はシングルミックス、89年以来の再発売。 「SATURDAY NIGHT ZOMBIES」はアルバムミックス。 |
きっと言える |
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ANNIVERSARY~無限にCalling You |
「ANNIVERSARY」はシングルミックス、89年以来の再発売。 「ホームワーク」はアルバムミックス。 |
やさしさに包まれたなら |
「魔法の鏡」含めてシングルバージョン 。 |
|
真夏の夜の夢 |
「真夏の夜の夢」はアルバムミックス。 「風のスケッチ」は初リマスター、93年以来の再発売。 |
12月の雨 |
|
|
Hello, my friend |
アルバムミックスで配信。 |
ルージュの伝言 |
|
|
春よ、来い |
アルバムミックスで配信。 |
あの日にかえりたい |
|
|
輪舞曲 |
アルバムミックスで配信。 |
翳りゆく部屋 |
「翳りゆく部屋」はアルバミックス。 |
|
まちぶせ |
アルバムミックスで配信。 |
潮風にちぎれて |
「消灯飛行」は初リマスター、89年以来の再発売。 |
|
最後の嘘 |
アルバムミックスで配信。 |
遠い旅路 |
「遠い旅路」は初リマスター、89年以来の再発売。 |
|
告 白 |
|
ハルジョオン・ヒメジョオン |
|
|
Sunny day Holiday |
「夢の中で」含めシングルミックス。 |
入江の午後3時 |
アルバムミックスで配信。 |
|
Lost Highway |
|
埠頭を渡る風 |
|
|
PARTNERSHIP |
「PARTNERSHIP」はシングルバージョン。 「So long long ago」はアルバムミックス。 |
帰 愁 |
|
|
幸せになるために |
|
Esper |
「Esper」はシングルバージョン、89年以来の再発売。 |
|
7TRUETHS 7LIES |
|
白日夢・DAY DREAM |
「白日夢」は初リマスター、89年以来の再発売。 |
|
雪月花 |
「雪月花」はF.O.処理が無いため曲終りに「Painting the sea」のSEが被っている。 |
星のルージュリアン |
|
|
ついてゆくわ |
「あなたに届くように」含めシングルバージョン。 |
守ってあげたい |
|
|
虹の下のどしゃ降りで |
「Smile again」はアルバムバージョン。 |
夕闇をひとり |
|
|
人魚姫の夢 |
「Au Nom De La Rose」も収録。 |
ダンデライオン~遅咲きのたんぽぽ |
アルバムミックスで配信。 |
|
ダンスのように抱き寄せたい |
アルバムミックスで配信。 |
VOYAGER~日付のない墓標~ |
|
恋をリリース |
|
|
メトロポリスの片隅で |
アルバムミックスで配信。 |
|
|
|
・本企画発売より前に販売されていたシングルについては下表の通り。
moraは本企画の楽曲に関わる商品を全てを販売終了とし、新規に発売している模様。iTunesは継続販売なのか販売終了/新規発売なのかは不明だが一部曲単価が¥200から¥250に変更。
Smile again |
いつの間にか販売終了。 |
Still Crazy for You |
もともとiTunesのみで配信されていたが、17年に各主要サイトで配信開始、本企画に関係なく継続配信。(訂正ありがとうございます) |
Color Of The Moon |
いつの間にか版売終了。 |
人魚姫の夢 |
本企画発売時に販売終了。本企画の同タイトルを同一商品とみなすと、「人魚姫の夢」はアルバムミックスに差し替え、「Au Nom De La Rose」を追加収録。 |
(みんなの) 春よ、来い (みんなの) 春よ、来い ~2011年秋編 (みんなの) 春よ、来い 2012 |
本企画に関係なく3タイトルとも継続販売。 |
夜明けの雲 |
リマスター音源に差し替え。iTunesでは価格変更。 |
恋をリリース |
両曲とも本企画のリマスター音源に差し替え。iTunesでは価格変更。 |
ひこうき雲 |
リマスター音源に差し替え。 |
気づかず過ぎた初恋 |
本企画に関係なくAAC 256kbps,FLAC 24bit/96kHzともに継続販売。OTOTOYでは本企画と同時に16bit/44.1kHzのALAC,FLAC,WAVを配信開始。 |
・ 当初424曲で案内されていたが、数えてみると実は1曲足らない。19年のハイレゾ配信開始時に423曲に修正されてた。
オリジナルアルバム番号 |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
11 |
12 |
13 |
14 |
15 |
16 |
17 |
18 |
19 |
20 |
曲数 |
11 |
10 |
10 |
10 |
10 |
10 |
10 |
10 |
9 |
10 |
4 |
10 |
10 |
10 |
10 |
10 |
9 |
10 |
10 |
10 |
累計曲数 |
11 |
21 |
31 |
41 |
51 |
61 |
71 |
81 |
90 |
100 |
104 |
114 |
124 |
134 |
144 |
154 |
163 |
173 |
183 |
193 |
オリジナルアルバム番号 |
21 |
22 |
23 |
24 |
25 |
26 |
27 |
28 |
29 |
30 |
31 |
32 |
33 |
34 |
35 |
36 |
37 |
38 |
||
曲数 |
10 |
10 |
10 |
10 |
10 |
10 |
11 |
10 |
10 |
11 |
14 |
7 |
11 |
12 |
10 |
11 |
12 |
12 |
||
累計曲数 |
203 |
213 |
223 |
233 |
243 |
253 |
264 |
274 |
284 |
295 |
309 |
316 |
327 |
339 |
349 |
360 |
372 |
384 |
||
オリジナルアルバム未収録 |
Face |
あの |
翳 |
潮風 |
消灯 |
旅路 |
ナビ |
白日 |
星ル |
ボイ |
風ス |
grv |
愛は |
kiss |
AuN |
恋リ |
青影 |
|||
曲数 |
10 |
1 |
1 |
1 |
1 |
1 |
1 |
1 |
1 |
1 |
1 |
1 |
1 |
1 |
1 |
1 |
1 |
|||
累計曲数 |
394 |
395 |
396 |
397 |
398 |
399 |
400 |
401 |
402 |
403 |
404 |
405 |
406 |
407 |
408 |
409 |
410 |
|||
音源違い(Faces収録除く) |
返事 |
空海 |
やさ |
魔法 |
Esp |
Sw |
Ann |
Sun |
夢中 |
Part |
つい |
届 |
初恋 |
|||||||
曲数 |
1 |
1 |
1 |
1 |
1 |
1 |
1 |
1 |
1 |
1 |
1 |
1 |
1 |
|||||||
累計曲数 |
411 |
412 |
413 |
414 |
415 |
416 |
417 |
418 |
419 |
420 |
421 |
422 |
423 |
・ 18年度 オリコンのDLチャートによると、アルバムで上位に入ったのは「日本の恋と、ユーミンと。」1.7万DL (総合23位)、「ユーミンからの、恋のうた」0.2万DL(総合403位)。
参考値- 総合1位:グレイテストショーマンサントラ11.3万DL、2位:米津玄師「bootleg」9.9万DL、3位:宇多田ヒカル「初恋」8.6万DL
7位:サザンオールスターズ「海のOh, Yeah!!」3.3万DL、12位:サザンオールスターズ「海のYeah!!」2.1万枚、123位:中島みゆき「Singles2000」0.5万枚。
単曲では「ひこうき雲」1.5万DL(総合612位)、「やさしさに包まれたなら」1.1万DL(総合780位)。
参考値- 総合1位:米津玄師「Lemon」179.7万DL、2位:DA PUMP「U.S.A.」54.1万DL、3位:back number「瞬き」43.4万DL
33位:S.A.S.「闘う戦士たちへ愛を込めて」12.7万DL、78位:中島みゆき「糸」7.2万DL、233位:S.A.S.「TSUNAMI」3.3万DL、305位:山下達郎「クリスマス・イブ」2.7万DL。
2019 ユーミン全曲ハイレゾ配信開始 全423曲
・ 2019.9.18 * Universal Music LLC / EMIレコード・ジャパン * 1曲¥514
・ 合計423曲のハイレゾ音源(24bit/96kHz)をダウンロードとサブスクリプション(定額聴き放題)で一斉配信。同時にシングル「深海の街」リリース。
・
全曲GOH HOTODAによるハイレゾを考慮したリマスタリング音源。18年の配信用とは別に新たにリマスタリングされたものです。
彼によると音楽が持つ当時の雰囲気を大切にしつつ、”今、録れたての音”になるよう工夫したそうです。「エッジが立ってるというんですかね、シャキッとしたハイを効かせるというのは、やはり一つのテーマでありましたよね。」(2019,
e-onkyoおよびmoraサイト掲載のインタビューより)
・
サブスクリプションサービスは2022年10月現在、Amazon
music Unlimited のみが対応。
ULTRA HDがハイレゾに当たる。ただし、一部の楽曲はHD(非ハイレゾ)でしか配信されていない。
なお、Amazon music Prime(安価サービス)ではHDおよび標準音質(320kbps)で2019年リマスタリング音源のストリームが可能。
ハイレゾは必要ないが、2019年リマスタリング音源は聴きたいという人には安価で通信容量も低いので良いサービスかもしれない。
・ ダウンロード購入可能な音源と価格は2019年9月現在、下記の通り。
配信サイト |
ビット深度/ サンプリング周波数 |
ファイル形式 |
アルバム購入価格 |
1曲価格 |
e-onkyo music |
24bit/96kHz |
FLAC, MQA から選択 |
2曲収録:¥900 4曲収録:¥1,800 7~14曲収録:¥3,000 30~33曲収録:¥3,800 45~46曲収録:¥4,200 |
¥514 |
mora |
FLAC |
|||
レコチョク |
||||
OTOTOY |
ALAC, FLAC, WAVから選択 |
・
音源のFI, FOなどのタイムライン上の構成は18年の配信とほぼ同じであると思われる(現在、聴き比べ中、情報募集中)。
下表は今のところ18年配信のコピーに一部追記したものです。
■ オリジナルアルバム/セルフカバーアルバム
・オリジナルアルバム全38作とセルフカバーアルバム「FACES」を配信。ライヴアルバムは対象外。
・基本的にオリジナルアルバムをベースとしたリマスタリングだが、一部は単曲購入を考慮してオーバーラップの解消やりプライズカットなどの処理が施されている(下表備考欄参照)。
タイトル |
備考 |
|
タイトル |
備考 |
ひこうき雲 |
「そのまま」~「ひこうき雲」のオーバーラップなし 。 全体的にテープのヒスノイズが過去のマスターよりも低減されている。 |
|
天国のドア |
「Miss BROADCAST」に新たな効果音が被されている。 |
MISSLIM |
|
|
DAWN PURPLE |
「Happy Birthday to You」「千一夜物語」に新たな効果音が被されている。 |
COBALT HOUR |
|
|
Tears and Reasons |
|
14番目の月 |
|
|
U-miz |
「自由への翼」とナホバ族の語りのオーバーラップなし。語りは「HOZHO GOH」側に。 |
紅雀 |
|
|
THE DANCING SUN |
「春よ、来い」のリプライズがカット。 |
流線形’80 |
|
|
KATHMANDU |
|
OLIVE |
|
|
Cowgirl Dreamin' |
「最後の嘘」FO処理および「まちぶせ」終了後のリプライズがカット。 |
悲しいほどお天気 |
|
|
スユアの波 |
|
時のないホテル |
|
|
FROZEN ROSES |
|
SURF&SNOW |
|
|
acacia |
|
水の中のASIAへ |
|
|
Wings of winter, Shade of summer |
「ただわけもなく」~「Rodeo」のオーバーラップなし。 「雪月花」~「Painting the sea」のオーバーラップはそのまま。 |
昨晩お会いしましょう |
|
|
Yuming Compositions: FACES |
「オーシャン・ブルー (blue version)」の配信はなし。 |
PEARL PIRCE |
|
|
VIVA! 6x7 |
|
REINCARNATION |
「ずっとそばに」~「ハートはもうつぶやかない」のオーバーラップなし。 |
|
A GIRL IN SUMMER |
「時空のダンス」のイントロにオリジナルに無い効果音が被せられている。 |
VOYAGER |
|
|
そしてもう一度夢見るだろう |
「ハートの落書き」~「Flying Messenger」および 「夜空でつながっている」~「人魚姫の夢」のオーバーラップなし。 |
NO SIDE |
|
|
Road Show |
|
DADIDA |
|
|
POP CLASSICO |
|
ALARM a la mode |
|
宇宙図書館 |
|
|
ダイアモンドダストが消えぬまに |
|
|
|
|
Delight Slight Light KISS |
|
|
|
|
LOVE WARS |
|
|
|
■ ベストアルバム
・公式ベスト7作品を配信。77年「ALBUM」や香港公演記念盤などは対象外。
・既発CDのマスターをベースとしたリマスターではなく、上記オリジナルアルバム構成音源で構成。本企画の配信においては上記アルバム収録曲で構成されるプレイリストに近い形態。
タイトル |
備考 |
YUMING BRAND |
「あの日にかえりたい」「翳りゆく部屋」新規マスタリング音源含む。 |
Neue Musik |
「VOYAGER」「groove in retro」「愛は...I can't wait for you, anymore」新規マスタリング音源含む。「卒業写真 (special track)」の配信はなし。 CDでF.O.のタイミングが早くなっていた「VOYAGER」はオリジナルシングルと同じ長さに。 |
sweet, bitter sweet |
「潮風にちぎれて」「ナビゲイター」「One more kiss」新規マスタリング音源含む。「あの日にかえりたい (acoustic version)」の配信はなし。「One more kiss」は単曲購入不可。 |
SEASON SCOLOURS 春夏撰曲集 |
|
SEASON SCOLOURS 秋冬撰曲集 |
「星のルージュリアン」新規マスタリング音源含む。「あの日にかえりたい (CM version)」の配信はなし。 |
日本の恋と、ユーミンと。 |
「あの日にかえりたい」「翳りゆく部屋」新規マスタリング音源含む。 |
ユーミンからの、恋のうた。 |
|
■ シングル
・ディスクで発売された全41作をカップリングも含めて配信。ただし、オリジナルカラオケやインスト、コラボシングル曲は対象外。
・基本的にオリジナルアルバムまたはベストアルバムと同じ音源で構成(例外は下表の備考欄に記載)。本企画の配信においては上記アルバム収録曲で構成されるプレイリストに近い形態。
タイトル |
備考 |
|
タイトル |
備考 |
返事はいらない |
「空と海の輝きに向けて」含めてシングルバージョン。 |
|
SWEET DREAMS |
「SWEET DREAMS」はシングルミックス、 「SATURDAY NIGHT ZOMBIES」はアルバムミックス。 |
きっと言える |
|
|
ANNIVERSARY~無限にCalling You |
「ANNIVERSARY」はシングルミックス、「ホームワークは」アルバムミックス。 |
やさしさに包まれたなら |
「魔法の鏡」含めてシングルバージョン 。 |
|
真夏の夜の夢 |
「真夏の夜の夢」はアルバムミックスで配信。 |
12月の雨 |
|
|
Hello, my friend |
アルバムミックスで配信。 |
ルージュの伝言 |
|
|
春よ、来い |
アルバムミックスで配信。 |
あの日にかえりたい |
|
|
輪舞曲 |
アルバムミックスで配信。 |
翳りゆく部屋 |
「翳りゆく部屋」はアルバミックス。 |
|
まちぶせ |
アルバムミックスで配信。 |
潮風にちぎれて |
「消灯飛行」の新規リマスター含む。 |
|
最後の嘘 |
アルバムミックスで配信。 |
遠い旅路 |
「遠い旅路」の新規リマスター含む。 |
|
告 白 |
|
ハルジョオン・ヒメジョオン |
|
|
Sunny day Holiday |
「夢の中で」含めシングルミックス。 |
入江の午後3時 |
アルバムミックスで配信。 |
|
Lost Highway |
|
埠頭を渡る風 |
|
|
PARTNERSHIP |
「PARTNERSHIP」はシングルバージョン。 「So long long ago」はアルバムミックス。 |
帰 愁 |
|
|
幸せになるために |
|
Esper |
「Esper」はシングルバージョン。 |
|
7TRUETHS 7LIES |
|
白日夢・DAY DREAM |
「白日夢」の新規リマスター含む。 |
|
雪月花 |
「雪月花」はF.O.処理が無いため曲終りに「Painting the sea」のSEが被っている。 |
星のルージュリアン |
|
|
ついてゆくわ |
「あなたに届くように」含めシングルバージョン。 |
守ってあげたい |
|
|
虹の下のどしゃ降りで |
「Smile again」はアルバムバージョン。 |
夕闇をひとり |
|
|
人魚姫の夢 |
「Au Nom De La Rose」も収録。 |
ダンデライオン~遅咲きのたんぽぽ |
アルバムミックスで配信。 |
|
ダンスのように抱き寄せたい |
アルバムミックスで配信。 |
VOYAGER~日付のない墓標~ |
|
恋をリリース |
|
|
メトロポリスの片隅で |
アルバムミックスで配信。 |
|
|
|
・本企画発売より前に販売されていたシングルについては下表の通り。
Smile again * |
ハイレゾ配信なし。 * 当初販売されていた形態での販売はありませんが、アルバムバージョンは本企画にラインナップされています |
Still Crazy for You |
|
Color Of The Moon |
|
人魚姫の夢 * |
|
(みんなの) 春よ、来い (みんなの) 春よ、来い ~2011年秋編 (みんなの) 春よ、来い 2012 |
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夜明けの雲 |
本企画のハイレゾ配信にこの形態のままラインナップ、音源は19年リマスター。 |
恋をリリース |
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ひこうき雲 |
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残火 |
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気づかず過ぎた初恋 |
オリジナルマスターのハイレゾ配信と本企画(19年リマスター)とを並行販売。 |
・ 19年度 オリコンのDLチャートによると、アルバムで上位に入ったのは「日本の恋と、ユーミンと。」2.1万DL (総合19位)。
参考値- 総合1位:星野源「ポップ」7.4万DL、2位:One Ok Lock「Eye of the Storm」6.7万DL、3位:あいみょん「瞬間的シックスセンス」5.7万DL
11位:安室奈美恵「Finally」3.4万DL、12位:浜崎あゆみ「A complete」3.4万枚、38位:サザンオールスターズ「海のYeah!!」1.4万枚、98位:竹内まりや「Impressions」0.8万枚。
100位:宇多田ヒカル「Singles1」0.8万枚、146位:中島みゆき「Singles
2000」0.5万枚
単曲では「やさしさに包まれたなら」2.6万DL(総合288位)。ちなみにストリーミングは300位にチャートインせず。
参考値- 総合1位:米津玄師「Lemon」107.5万DL、2位:米津玄師「馬と鹿」77.6万DL、3位:あいみょん「マリーゴールド」58.8万DL
62位:サザンオールスターズ「愛はスローにちょっとずつ」7.8万DL、96位:中島みゆき「糸」5.5万DL、100位:Mr.Children「HANABII」5.4万DL、206位:宇多田ヒカル「誓い」3.2万DL。
聴き比べどころ
コラム的にマスタリングの違いが判る聴きどころを書いていこうと思います。
管理人は聴き比べ時は非圧縮のWAVで、普段はAACの16bit, 44.1kHz, 256kbpsに落としてBluetoothのヘッドフォンで聴いています。
AACにすると主に高域の音や響きがやや不自然になるのですが、こういった微細な違いを抜きにしてもわかるような違いを書いてみたいと思います。
(ちなみに私はWAVと128kbps mp3の違いはシンバルや残響音で判別できますが、256kbps mp3はもう元のWAVとの違いが判らない程度の聴力です)。
パジャマにレインコート
「アラームアラモード」はこのマスタリング効果が最もよくわかる作品のひとつだと思います。
中でも割と音数の少ないこの曲を聴き比べてみました。管理人は丁度このあたりに物心ついてユーミンも聴き始めるので、
この頃の独特な響きのあるドラムの音が好きで、原体験的な懐かしさもあります。そういう好みも相まっての感想です。
CA32-1330 (1986, CD) |
このCDは全体的に音が小さくぼやっとしています。データはCDに収録できる最大音量から3dBくらい低い。 もちろん音量を揃えて聴き比べしていますが、音量を上げてもボヤっと感が増すだけで、いっこうに他の音源と音量が揃った感じがしません。 変な表現ですが、私たちは必ずしもデータ上の音量の大きさ(振幅の縦幅)を「音の大きさ」と認識していないんでしょうね。 |
TOCT-10634 (1999, CD) |
CDの音量が増してそれだけで満足感ありますが、ボーカルがかなりクリアになってます。ちょっとキュッと締まった感じ。 ただ、他のアルバムと比べるとなんかモヤっとしており、これが個性なのか至らなさなのかよくわからんという感じです。 |
18年リマスタリング |
よりボーカルがすっきりして、視覚に喩えるとプロジェクタの焦点が合った感じ、、「ちゃんと聴こえている感じ」が増しますね。 この感覚が私たちの感じる音量感に一役買っているんでしょうね。全体的にギラっとした感じで、騒音下、例えば電車の中でもよく聴こえます。 |
19年ハイレゾ用リマスタリング |
これは18年リマスタリングと全く違う音で、低音が締まっていて立体的。この頃の固くて響きのある音、とくにドラムのチタっという表面感のある高域と、それに続く低域のゴム感、弾力のあるソリッド感が大袈裟なくらい強調されています。大袈裟とは書きましたが、私はこの頃の音がすごく好きなので、これ以外はもう聴かないというくらいお勧めな音です。CA32と比較するとマスタリングだけでここまで変えられるのか?とびっくりするくらいに良くなっています。 |
acacia [アカシア]
「Frozen Roses」から明らかに高音圧なサウンドになりましたが、配信用マスタリングではこれが大きく改善されています。
この曲が収録されている「アケイシャ」もそんなアルバムの一つだと思います。
90年代はデジタルに波形をいじることができるようになってきて、クラブシーンを中心に音圧を上げることが競われてきたようです。
CDもスピーカーも許容できる最大音量は物理的に決まっており、どこまでも大きな音を収録・再生できるわけではないので、収録されている最大音量はこれ以上大きくはできない。
ではどうやって音圧を上げるかというと、収録されている小さな音も大きくしてしまえ!ということをするのです。こうすると平均的にどこを聴いても大きな音になります。
ただ音量が上がるだけでなく、聴感上あるいは体感上、低域がぐっと上がり面のような圧を感じるクラブには持って来いのサウンドになります。
また、この高音圧は騒音に負けないというメリットがあり、これは街中で曲をPRするのに重要な要素とみなされるようになっていったようです。
要は小さな音も大きくなっているので、騒音下でも曲の大部分をはっきりと聴かせることができる、音がしっかりとした良い印象を与えられるからです。
高音圧化をやっている曲とやっていない曲が立て続けに流れた時、前者はしっかりしていて、後者は貧弱で印象薄な感じに捉えられてしまう。
そんなわけで00年あたりはもうクラブとか関係なしにあらゆるジャンルが高音圧な音作りをしていたように思います。ユーミンも然り。
もちろん好みはあると思いますし、もしかしたら世の中の流行なんて関係なく、ユーミン作品としてこういう音作りが必要だったのかもしれませんが、
管理人的には、はっきり言って「acacia」にこういうサウンドはあっていない・・・。ですからこのリマスタリングは明らかな「改善」と言えますね。
TOCT-24600 (2001, CD) |
CDから作ったWAVの波形 |
左図はCDの1コーラス目のLchの波形です。最初のレベルが小さいところがギターメインのイントロ部分。はっきり言って、低い弦の音がうるさく、歌が始まってリズムが入るとボアボアしていて曲の雰囲気が台無しです。ユーミンは初夏の涼しげなどうのこうの... と言っていたように思いますが、空気が熱く重い猛暑という感じ。ちょうど低くなり始めたユーミンの声がおもーく聴こえるのです。 |
左図のCDの音を3dB小さくした波形 |
19年ハイレゾ用リマスタリング |
19年ハイレゾ音源のWAVの波形 |
19リマスターは一聴してわかるのはイントロのギターの音量が全然小さい。リマスタリングなので曲の雰囲気までは変わっていませんが、それでも明らかに余裕のある、見通しが良くて風が吹いているような、そんな空間の感じられる音になっていると思います。左図の波形を見ると、最大音量とイントロの音量差が大きくなっていますし、歌が始まってからの音量も平均的に低くなっているのが見て取れます。ちなみに右上の図はCDの音を19リマスターと同じくらいの音量に聴こえるところまで下げてみたときの波形です。3dBくらい下げているので、単純に換算するとですがスピーカー2個が1個になったくらいの音量差です。つまり元の音は両方とも最大音量はほぼ同じなのに、こんなにも音量差があったという事です。右上の波形を見ると、上下がすっかり空いてしまっていますが、こういう風に19リマスターと音量を揃えてみると、CDの高音圧な音は、この空いた部分を音楽表現、音空間の表現のために使えていないと見ることもできます。制作過程のどこかの段階では使えていたのかもしれないと思うと、とても勿体ない気がします。 |
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18年リマスタリング |
18年リマスタリングもまともな音圧感で、19年と比べると低域が軽く、ボーカルがはっきりしている感じがします。 また、ボーカルをはじめ、全体的にとろーりと横に広い印象を受けます。 |
この曲はどのマスタリングもボーカルの音質があまりきれいではないというか、肌理の粗いガサガサしているような印象があります。
おそらくマスタリングのせいではなく、2MIXの時点でそうなってるのだと思いますが、狙ってそういう音作りだったのでしょうか。。。
ちなみに旧曲も織り交ぜて2002年に発売された香港ベストでは、やはりやや軽め(最大音量と平均音量の差が大きめ)にマスタリングされた音源で収録されています。
瞳はどしゃ降り
この曲が収録されたアルバム「Tears and Reasons」はヴァーチャル・オーディオ・プロセッシング・システムといういわゆる3Dオーディオを使用した
技術的にかなりチャレンジングな作品でした。最近Dolby Atmosなどが話題ですが、いまからざっと30年前の話です。
サンレコ93年1月号( サンレコアーカイブスの該当ページへのリンク)のこのシステムのエンジニア・クリストファーカレルさんのインタビューによると、
当時このシステムはまだ彼が使用する1台しか存在しておらず、大変高価なコンピュータを使っても同時に1音源とそれが入る空間の半分しか処理ができない、
これに対し、ユーミン側のマルチには100トラック近く音源があったようでとても処理してられない、
それで結局マルチからいったん前後左右用の4chにミックスし、これに対し3D処理をしたようです。で、3Dサウンドとしてわかりやすいかというと、うーん、、という感じ。
それより何より音が小さいというのがこのアルバムの音の印象ではないでしょうか。
ただ、音量を上げて、ヴァーチャルオーディオで何がしたかったのかを分かって聞くとそんなに悪くはないと思います。
TOCT-8600 (1992, CD) |
CDから作ったWAVの波形 |
左図はCDの1コーラス目のLchの波形です。明らかに音が小さい!ただ、意外ですが、最大音量は、-0.85dBでけっこう限界近くまで入っています。これに対し、平均音量が-23dBとかなり小さい。実に20dB以上の差があるのですが、これは見方を変えれば、ピークを生成りに入れたい放題というかなり贅沢な収録の仕方とも言えるかも。それもあってか、音量を上げて聴くとそんなに悪くはないと思います。これがLPなら大問題ですが、CDなんで音量を上げてもほとんどノイズが聴こえない。まぁ、コンプかけてボリュームアップするという事は当時もできたと思うのですが、位相が変わってしまい、せっかくのヴァーチャルオーディオの効果を台無しにするので出来なかったのではないかなと想像します。このアルバムの音作りが独特なのは、オケにサラウンド感があるのに、ボーカルだけが妙にマットで異世界転生してきた感じ。そのギャップからくる閉塞感がアルバム全体の雰囲気を作っていて、曲の感情に非常にマッチしていると思います。 |
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19年ハイレゾ用リマスタリング |
19年ハイレゾ音源のWAVの波形 |
左図は19リマスターの波形ですが、もう上の「acacia」どころじゃない違いでCDのそれと並べてみるとびっくりしてしまいます。もちろん音量感はたっぷりでみんなこれを待っていたという感じじゃないでしょうか。CDとは聴感上で6dB以上の差があって、これは例えばスピ―カーから5mの位置で聴く音と、10mの位置で聴く音くらいの差です(要は音源から倍の距離の音量差ということです)。 |
左図の音を7dB小さくした波形 |
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このままでは、聴き比べができないので、19リマスターのほうの音量を7dB下げました(右上の波形)。波形だけ見るとダメな感じがしてしまいますが・・・これは「acacia」と見比べると全く逆のことが起こっているわけですが、このあたりからCDであれ、ハイレゾであれ、容量の決まったところに音楽を押し込める難しさが感じられるのではないかと思います。聴いてみると、やはり低域はかなりしっかりしていますが、もともとが広がりのある音作りなので、そんなにCDとの違いは感じなかったというのが感想です。ボーカルはCDがかなり平坦なのに対して、ややくっきりした感じ(ただ、私はやはりCDのノッペリした音のほうがこのアルバムには合っている気がします)。 |
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18年リマスタリング |
18年リマスタリングは低域が豊富な19年リマスタリングよりやや低域が薄い感じです。19年のほうは聴き方によってはやや低域がダマになってる感じもあるのですが、18年はすっきりしており、ベースなんかが粒だって聴こえる気がして、私はこの18年のほうが好きですね。 |
意外ですが、3者でそこまで大きな違いがなかったという印象です。リマスター側を7dBも小さくしてしまっているので、平等な聞き比べではない気もしますが、
逆にCDのほうを7dB上げると完全にクリップしてしまいます。クリップさせてもあまり割れた感じはないのですが、やはり音は変わってしまう気がするのでやめました。
Angel Cryin’ X’mas
この曲が収録されたアルバム「U-miz」は音の感じがガラッと変わって、かなり太い音になった気がします。
それまでの数作は空間オーディオ的なボーカルをちょっと遠目に置いた感じの音でしたが、このアルバムは近く、太く、丸くというイメージ。
これはアルバムのコンセプトによく合っていて、「U-miz」全体としては好きなのですが、この曲だけはなんだか詰まらないなと長年思ってきました。
ライヴとかでは盛り上がりそうですが、オーディオとして、アルバム曲として、聴くにはなぁ・・・という感じ。
ド直球なロックンロールとユーミンの相性の問題・・・ユーミンがいっちょ噛みでロックンロールやってみた的な・・・かと思ってたのですが、
音質のせいもあったのかも?というくらいマスタリングでぐっと良くなっています。はじめてこの曲を聴いていて楽しいと感じたかもしれません。
TOCT-8350 (1993, CD) |
ボーカルが(エフェクト用語でなんというのかわかりませんが)ハモンドみたいな重ねて揺らしてという感じで加工されていて、良く言えば甘く太くなってるのでもちろんそういう狙いだったのかもしれませんが、軽くボヤっとした印象も受けます。それが大きめにミックスされているのですが、なんだかそのボヤっと軽いボーカルが演奏をマスクしてしまっていて、ノリノリな曲だということは頭ではわかるのですが、感覚的にはぜんぜん乗れない、とにかく軽い、早く次の「JULY」が聴きたい、、そんな感じでした。 |
18年リマスタリング |
ボーカルがくっきりしてちょっとLRの真中に詰めてくれたような感じ、そして演奏がぐっと前に出てきていて、低域もしっかり聴こえるようになってグルーブを感じられるようになっています。やはりこういう曲はベース、ドラムがしっかり聴こえてはじめて意味が分かる気がします。この音源ではじめてまともに楽しく聴けた感じがします。 |
19年ハイレゾ用リマスタリング |
18マスタリングより更に低域が厚くしっかりとしていますし、ボーカルもっと生々しく聴こえます。あと若干ですが、オリジナルよりテンポが速くなっているようです。もはやリミックスしたんじゃないかというくらい良くて、オリジナルからマスタリングだけでこうなるとはとても信じられないという感じです。 |
ちなみに、「真夏の夜の夢」はTOCT-8350も十分満足いくヴォーカル音質とミックス具合で、とりわけ18リマスタリングと引けは取らない感じがします。
19リマスタリングはやはりかなり低域が立体的に補強されておりこちらのほうが満足感あります。
当たり前かもしれませんがリマスタリングはアルバム単位でまるっとしているわけではなく、曲のオリジナルの状況に合わせて1曲1曲行われているんだなぁと実感しました。
Northern Lights
この曲が収録されたアルバム「Wings of winter, Shades of summer」は上述の「acacia」と同じころの高圧な音が流行ったころの作品で、
やはりものすごく高圧でなんだか全体的に音が歪んでしまっている感じです。特にドラムやベースなど低域と、リバーブが歪んでおり、7曲とも同じ傾向。
完パケを聴いて本当にこれで良しとしたのか?ちょっと信じられないという感じ。。。
まぁ、この歪みが厳冬の寒さの麻痺感、荒波の怒涛な感じ、想い出すのに辛い過去にも思えるかなぁ、、、と無理やり納得してきました(笑)
リマスタリングに期待したのですが、、、
TOCT-25000 (2002, CD) |
驚くべき?ことに3つともそんなに違いを感じませんでした。もちろんCDはかなり大きな音で収録されていますし、波形見てみても寸胴な一方、リマスタリングのほうは音が小さく、波形も比較的櫛っぽい感じには見えるのですが、同じ音量にして聴くと、ほとんど違いが分かりません。リマスタリングのほうがヴォーカルが軽く伸びのある感じはするのですが、気のせいかもしれない、そんな程度の違いです。歪み感はというとこれもほとんどそのままという感じ。 |
18年リマスタリング |
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19年ハイレゾ用リマスタリング |
3つとも変わらないという事は、もうミックス完了時点の2MIXマスターがこんな歪みっぽい感じの音になってしまっていて、リマスタリングではあまり直す余地がないのか、
あるいは「これが正解の音」なので、あまり直す余地がないのか・・・。
雪月花
比較的音の薄い(マルチトラック数の少なそうな)この曲も変わらないのか聴き比べてみました。
TOCT-25000 (2002, CD) |
比較的余裕のあるイメージの曲ですが、オリジナルはやはりビジーな、パンパンな印象で歪みっぽい。ヴォーカルの♪あぁそんなにの「ん」がいきなりグズっと歪んでたり、ハープの低音がボワーンと歪んでる感じがしてしまいます。ストリングスが入ってコーラスが入るともう音が濁りまくってしまう印象があります。 |
18年リマスタリング |
上述の「Northern Lights」はあまり違いが感じられませんでしたが、構成が薄いだけあってか、ヴォーカルが明らかにくっきりしています。聴き比べるとちょっとぺらっとした印象も受けなくもないですが、歪みも気になりにくくなっており少し聴きやすくなったかなという感じ。 |
19年ハイレゾ用リマスタリング |
18年のヴォーカルの感じに加え、CDでぼわーっと面的だった低域が立体的に、ベースの弦やその震えを感じる低域です。 |
2002年のオリジナルCDは、私にとって本当に不満な音なのですが、じゃシングル「雪月花」に収録されているインストが歪みっぽいかというと意外とそうでもないんですよね。
たっぷり感はあるのですが、ヴォーカルやコーラスをミックスしているヴァージョンのようなビジーな感じはない。
じゃ、ユーミンのヴォーカルが歪みっぽいかというと、これは5.1chのセンターチャネルがほぼヴォーカルとベースのみのトラックなので、これを聴くとわかるのですが、
決してそんなことはないんですよね。恐らくこの時期は今までのように声が出なくなってきたこともあっての試行錯誤の期間だったと思うのですが、
ファルセットっぽいエアー感のある声で、とても丁寧に歌われているのが分かります。
なのにこの両者がミックスされたメインヴァージョンはとにかく聴きづらい。詰まるところ、この両者の相性はあまり良くないということではないかと思うのですが、
例えるなら、オケはオイル系の画材でクリーミーに綿密に描かれており、ユーミンの歌のほうは繊細な水彩のようなイメージ。
クリーミーで隙間ないところに負けないよう水彩を無理してミックスした感じがして、ユーミンの声のエアー感がハレーション気味に聴こえる感じでしょうか。
最終的にオケは歪みっぽいし、詰め詰めの中に頑張ってミックスさせられてしまったエアリーなヴォーカルが大変しんどく聴こえてしまう。
ちなみに「WWSS」のCDと同じ時期に出たこの両曲の5.1chヴァージョン(シングル「雪月花」の付属DVDに収録されています)はこんなに歪んでないんですよね。
これはPVの音声として収録されていますが、いくつかソフトを使うと5.1chから2MIXの音声ファイルを作ったり、各ch個別に音声ファイルにできたりもします。
私はソフトが勝手にミックスダウンした2MIXで聴いていますが、歪みなくスッキリしていてけっこう気に入ってます。
5.1ch時の定位もそこそこ再現できているようで、広い空間がある感じ、とにかくユーミンのエアリーな声を落ち着いて聞ける広さがある感じです。
この5.1MIX、「雪月花」は2MIXと同じトムタッカー、「Northern Lights」はアルシュミットによるもの。
トム氏はブリッジのところでヴォーカルがぐるぐる回るギミックはありますが基本的には手堅い感じ、でも別にCDのようなパンパンな音にしようという感じではないんですよね。
アル氏のほうは空間の広さを思いっきり活かしたちょっとアミューズメント感あるミックスでしょうか。パンパンな音とは真逆の世界で、この壮大な曲によく合っています。
この「5.1to2MIX」聴いて思うのは、あたりまえですがマルチから全然ビジーでない2MIXを作ることはできると思うんですよね。
ユーミンのエアリーな声が上手くミックスされてるなと思うのは「VIVA! 6x7」からですが、やはりオケのほうもエアリーでないと馴染まない気がします。
「WWSS」はあんな感じにリ・ミックスしてほしいですね。
日付変更線
この流れから「Faces」はどうか?というと、もう出だしの音からDUBか?というくらい歪んでます(私にはそう聴こえます)。
18リマスターも歪んでるのであぁ変わらないかぁと思っていたのですが、なんと19リマスターは大幅に歪みが低減されています!!
TOCT-24001 (2003, CD Extra) |
イントロの本当に最初の音から歪んでいて、よくこれでOKしたなぁと思います。素人なりにこういうジャンルなのか?本当にDub要素が欲しかったのか?とも考えてはみたのですが、やはり別に歪ませる必然性は何にも感じないんですよね。。。ブラスもストリングスも入った豪華な演奏なのに勿体ない。 |
18年リマスタリング |
歪みが目立つのは変わらずですが、全体的に音の詰まり具合にちょっと余裕が出てる感じがします。特にヴォーカルは細くなってはいますが、生々しく際立って聴こえます。 |
19年ハイレゾ用リマスタリング |
これがびっくりで、出だしの歪みがなくなってる!!よくよく聴けば完全に消えているわけではないですが、聴感上はあまり気になりません。その後も歪みが無くてその邪魔がなくなった分、ヴォーカルやベースがしっかり聴こえます。ちょっと音の勢いが削がれた気もしなくはないですが、とても聴きやすくなっていると思います。 |
歪みって取れるもんなのか!?ということにびっくりですが、歪む前の音がどんなだったか想像して高調波削ったりするんでしょうか??AIとか得意そうですね。
あるいは、オリジナルはマスタリングで歪ませてしまっていて、ミックス後の音源は無事だったのか??
「Faces」は面白い編曲がありながらも終始地味というか真面目な印象の作品で、こういう作品は歪みに邪魔されずじっくり聴きたいものです。
もう一つ違いが顕著なのが「Woman」のイントロ。オリジナルはやはり出だしの音の低域の一番高いあたり(変な言い方ですが)がモワーっと大きく気持ち悪いんですよね。
(たまにカフェみたいな小さい空間でラジカセとかでなんちゃって低域をブーストしてBGMかけているところがありますが、たいていこの帯域がモワーとしていて気持ち悪い。)
ここもコンプかけたら結果的に盛り上がっちゃいましたみたいな、意図してない盛り上がりな気がするのですが、19リマスターはスッキリしています。
「Faces」も19リマスター一択な感じがしますね。
Baby Pink
アルバム「KATHMANDU」はそれまでの「U-miz」「THE DANCING SUN」に比べてサウンドデザインががらっと変わったように思います。
太い音から空間を感じる広い音作りになったように思います。バスドラの空気感や民族楽器系の独特な響きなどがしっかり伝わってくる感じ。
この傾向は次の「Cowgirl Dreamin‘」「スユアの波」まで続くのですが、前時代の「U-miz」や後時代のコンプレッシブなアルバムと比較すると、
どうしても薄いカスカスっとした音に聴こえてしまう気もします。この「KATHMANDU」含む3作はどれだけ音量上げても前後の作品とは馴染まないんですよね・・・。
公式にベストなんかも出てはいますが、基本、この前後の時代とは混ぜちゃいけない、比べちゃいけない別世界という気がします。
ただユーミンは80年代から空間重視した音作りをしてきていて、この流れからは「U-miz」「THE DANCING SUN」の2作がちょっとだけ異端という感じもします。
TOCT-9300 (1995, CD) |
もともと「KATHMANDU」の音は大好きなので、特に不満はないのですが、18年リマスターに切り替えるとヴォーカルが一枚幕を取ったようにくっきりしますね。オケも高域のエッジがかなり効く感じ。比較してしまうとCDのほうのヴォーカルはややボヤっと広がっている感じがします。その分、他の楽器との混ざり具合はCDのほうがあって落ち着いた感じも受けますね。 |
18年リマスタリング |
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19年ハイレゾ用リマスタリング |
やはり19年リマスターは低音部分がどっしりしてくる感じです。ヘッドフォンで聴くとこのアルバム独特のエア感を伴って喉元くらいにどっしり落ちる感じが心地よいです。ベースの個体感も良いです。低音のせいかヴォーカルの分離感は18年リマスターより薄れて、ちょっとCDっぽい混ざり感があるかもしれません。でも音をCDに戻すとやはりCDのほうがボヤ―っとしてますね。 |
このアルバムはこういうエアリーな音作りの聴かせどころがいくつかあって、その一つがバスドラだと思うのですが例えば「KATHMANDU」のイントロや「Baby Pink」のブリッジ部分など、
19リマスターはここに美味しく低域が乗せられてて本当に良い感じです。表味というよりは後味って感じで乗っていていいんですよね。
聴き比べしやすいのは「クロームの太陽」の間奏部分。ここはヴォーカルはなくほぼリズムだけになるのですが、
各マスタリングが楽器のどの部分にどう影響しているのかよくわかります。下記の「お勧め聴き比べ方法」を作りやすい場所なのでご興味ある方はぜひやってみてください。
つづく(かも)
実は聴き比べは難しい
万歳のところにも書いたのですが、聴き比べは実は難しいという話。
同じ音源を聴いていたとしても、その音を認識するまでの過程に何ステップもあり、必ずしも同じ音に聴こえているとは限りません。
ですから上の感想も聴く人によって全く異なるかもしれません。
例えばCDなら上図の「提供メディア化」というところでCDになるのでここまではリスナーに平等に与えられますが、機材や部屋の環境はリスナーによって違いますし、例えこれが同じでもリスナー個人の頭の形や聴力が違います。例えば私は体調により片耳の低域聴力が悪くなりますし、ブリキ缶をたたいたときに響くような帯域がやたらと強調されるときもあります。もちろん体調が良い時と聴こえる音は全く違います。頭の形状はそこまで違いはないかもしれませんが、音の方向感や響きの聴こえ方は頭の形状が影響を与えていますから、例えば同じボーカルを聴いてもその距離感、方向感は人によって違うでしょう。そして一番影響が大きいのは心理だろうなと思います。例えば高価な機材や音源を買った後は、きっと良い音に聴こえると思いますが、実は「高価な」という音そのもの以外の情報が良い音に聴かせているという可能性もあるのではないでしょうか。
また、たまに音の良し悪しの根拠をデジタルかアナログかということに求める見解を見ますが、おそらくリスナーサイドにとってはあまり関係ないのではないかと思います。というのも、リスナーサイドではその音がアナログなのかデジタルなのかを判断できないからです。制作過程もいくつかのステップがあり、その間でデジタル過程、アナログ過程が混在しています。ユーミンの場合も当時の雑誌を読むと「昨晩お会いしましょう」から一部デジタル録音が行われていたようです。制作過程の最初にはレコーディングが行われますが、生音をアナログ録音することもあれば、最初からデジタルシンセで人工的に作った音源を使うこともあります。その後のミックスやマスタリングにおいてもその成果を録音しておかなければなりませんが、それがアナログ録音されることもあればデジタル録音されることもあります。更にメディアにするにあたり、アナログ録音をCDにすることもあれば、デジタル録音をLPにすることもあります。これらの過程で一度でもデジタル過程を通れば後段でその影響を消し去ることはできません。要はリスナーの段階では、どんな過程を経て出てきた物かはもうわからないという事です。
余談になりますが、18年にNHKが放送した「アナザーストリー〜CD開発“不良社員”たちが起こしたデジタル革命」という番組で正隆さんが「CDの音にがっかりした」「今まできれいに盛り付けられいた料理が大皿になったんだけの載っているものがバラバラになったような」という話をインタビュー付きで紹介していましたが、上記を考慮するとこれは「がっかり」したのがCDにしたからだったとは言い切れないのではないかと思います。あの番組の説明が腑に落ちないのは、正隆さんが感じた「がっかり」の原因を「CDには可聴域より高い周波数の情報が含まれていないこと」であるかのように臭わせておいて、最後に正隆さんの「あるときCDがレコードを超えるところまで進化していた」という話で締めているところです。CDに可聴域より上がないことは今も昔も同じですし、そもそもレコードが可聴域より高い音を再生できるという事もちょっと怪しいなぁと思っています。正隆さんがCDの音が良くなったと感じたことを事実としたとき、そこにはかつて可聴域うんぬん以外の「がっかり」原因があって、CDの制作過程がそれを克服したということになるはずです。恐らく正隆さんの「盛り付け」話と、昨今の業界の見解を照らし合わせると、「がっかり」の原因は恐らく可聴域の問題ではなく、デジタル録音初期においてアナログテープ特有のコンプ効果を使えなくなったことが原因だったのではないかと思うのですが、どうなんでしょうか・・・。ちなみに別の映像ではありますがこの正隆さんが「デジタル盛り付け噺」を語る姿は「音響ハウス」という音響ハウスがつくった超イケてない(笑)スタジオドキュメンタリーもどき映画にもなんの脈絡もなく使われており、わざわざ脈絡なくデジタル否定しに出てきた人のようにも見えてちょっと可哀そうです。。。
おすすめの聴き比べ方法
マスタリング違いの聴き比べは、ミックス違いの効き比べより難しいかもしれません。パッと聴いて何か違うぞと感じると、より細かく分解的に聴いて違いを見つけようとするものです。ところが、ミックス違いと異なり、マスタリングは違ったとしても基本的に各音の定位は同じなので、ディティールを聴き比べていこうとすればするほど、違いが分からなくなってきたりします。最初の「パッと聴いて違う」と感じたときが一番違いを感じられているのかもしれません。また、AとBを聴き比べる場合、Aを止めてBを再生する間に、Aがどんな音だったか忘れてしまいがちです。
そこで、もっと音源を直感的・全体的に比較でき、止めることなく連続的に聴き比べられる方法を考えてみました。
左図は「パジャマにレインコート」の各マスタリング音源を、同じパートが繰り返しになるように並べた時間波形です。♪嘘は 〜 何も聞かないこと を並べています。
このとき、ボーカルの各音源のリズムがずれないように繋いでゆき、シームレスに聴けるようにします。右図は左図の黒枠部分を拡大したもの。▼はドラムの裏の拍ですが、このタイミングがCA32-とTOCT-でずれないように繋ぎます。こうすることによって一定なリズムの中で各マスタリングを順に聴いてゆくことができます。普通に曲を聴くときのような感覚で聴きながら、シームレスにマスタリングが変わるときの違和感、全体的な変化に気づくことができるというわけです。こういった音源は、WAVを用意すればSoundEngineなどのフリーウェアでわりと簡単に作成できます。