ユーミンOlive / 松任谷由実in葉山

 

 

【公演スケジュール】

 

− オリーヴ・ツアー

22会場24公演

1979

     6 3  京都会館第一ホール

     6 4  大阪・サンケイビル・サンケイホール

     6 5  大阪・サンケイビル・サンケイホール

     612  中野サンプラザホール

     613  中野サンプラザホール

     619  長岡市立劇場

     620  新潟県民会館

     621  名古屋市民会館

     622  名古屋市民会館

     625  和歌山県民文化会館

     627  下関市民会館

     628  福岡市民会館

     629  熊本市民会館

     630  島原文化会館

     7 2  宮崎市民会館

     7 8  東京厚生年金会館

     710  栃木会館

     712  岩手県民会館

     717  千葉県文化会館

     719  宮城県民会館

     722  日立小平会館

     723  福井市文化会館

     724  浜松市民会館

     730  厚木文化会館

 

              〇 情報は新譜ジャーナル797月号より 

− 葉 山 −

1979

     828  葉山マリーナ・エメラルドプール

 

 

【演奏曲】

 

14番目の月

*

 

 

あなただけのもの

 

中央フリーウェイ

*

地中海の感傷

12階のこいびと

きっと言える

雨のステイション

 

 

魔法の鏡

潮風にちぎれて

天気雨

*

*

*

2

ツバメのように

稲妻の少女

帰愁

*

*

*

1

やさしさに包まれたなら

最後の春休み

ナビゲイター

キャサリン

朝陽の中で微笑んで

アフリカへ行きたい

*

*

*

 

EC

 

 

少しだけ片想い

さざ波

*

*

 

3

ルージュの伝言

 

*

 

 * は葉山公演での演奏曲。ただし ] 部分は※12の順で、※3のあとには「ひこうき雲」が演奏されました。

 

 

【出演者】

 

The Square
Drums
: 岡本サミュエル
Bass
: 中村裕二
Guitar
: 安藤正容
Percussion
: 仙波清彦
Keyboards
: 小林泉美
Sax & Flute
: 伊東毅

               〇 「明星」799月号、FC会報78号の付録などを参考にしています。

ただし「平凡」799月号にはDr:マイケル河合、Key:宮城純子がザ・スクエアのメンバーとして紹介されています。

 

【チケット料金】

 

下関公演: 指定席¥3,000、自由席¥2,700

 

 

【グッズ】

 

プログラム

※ 東京、大阪、名古屋などで「'79 NEW MUSIC SCENE」と題したミュージカルステーションが扱っていたアーティストとの合同プログラムを販売していた模様。

   このツアー独自のパンフの販売はなかったと思われる。

 

【主なクレジット】

 

Artist: Samuel Okamoto, Yuji Nakamura, Masahiro Ando, Semba Kiyohiko, Izumi Kobayashi, Takeshi Ito

 

Direction: Shizuka Ijuin, Yoshihiro Kurita

Musical Direction: Masataka Matsutoya, Yumi Matsutoya

Stage Arrangement: The Square

Staging: Dai Murata

Art Direction: Shintaro Saiki, Haruki Takahashi

Lighting Planning: Mitsumasa Hayashi

PA: Kyosuke Hayashi

Stylist: Hiroko Yamauchi

Stage Management: Masahito Ohashi, Terunobu Otsuka, Noboru Watanabe

 

Produced by Musical Station

                                                                      ○ 情報はミュージカルステーション制作の「'79 NEW MUSIC SCENE」より

 

【メモ】

 

   アルバム「OLIVE発売に合わせたコンサートツアー。79年は再びステージ活動を活発に始めた年で、秋スタートのマジカルパンプキンと合わせて60公演近くをこなしています。

   これまでのステージは主にユーミンが演出をしていたようですが、このツアーから数年は当時CMディレクターだった伊集院静を起用、本格的にショウアップしたコンサートが行われるようになっていきます。ユーミンは青色の全身タイツに銀のマントとマスクをかぶって登場。週刊明星79.8号には厚木公演のレポートが載っていますが、途中15歳の男の子がステージに上がってユーミンとお喋りをする一幕もあったとか。

   ユーミンのリクエストによりバックバンドはザ・スクエアがつとめました。ザ・スクエアはF1の「TRUTH」で非常に有名になりますが、当時は現メンバーでもある安藤正容、伊東毅を中心に本格的に活動し始めたばかり。ちなみに「うる星やつら」などで有名な小林泉美はサポートメンバーだったようですが、スクエアからの誘いを受けながら、パラシュートと高中正義バンドもかけ持っていたとか。メンバーチェンジはありましたが、スクエアとユーミンは翌年3月まで一緒にツアーをまわりました。

   中野サンプラザでは本物の象に乗って登場。「文化評論」799月号や「週間平凡」79712日号に掲載されたレポートによると、象は初っ端の幕開きに登場、真ん中でお礼をしてはけていっただけだったようですが、一気に非日常的な気分にさせられたと書かれています。また、象はフィナーレにも登場。ユーミンを載せた写真が残っていますが、おそらくこのフィナーレの時のものではないかと思われます。ステージに象を出した話は今も語り継がれていますが、恐らく象の登場は中野サンプラザのみで、大阪公演や厚木公演、東京でもう1か所行われた新宿での公演では無かったようです。「月刊おんきょう」の798月号にはこの新宿公演の感想が3名分掲載されていますが、絶賛の声の一方「きょう残念だったのは、まわりがとても静かで、一人でのってしまった感じがして…」「観客がのらなくて、ユーミンがかわいそうだった。いつもコンサートの時思うが、みんなおとなしすぎる。もっと手が痛くなる程拍手しても良いのではないか?ショーが素晴らしいだけに、見る側のマナーが、わりとおなしすぎるのにちと頭にきた!!」という内容も。客が反応しないというのは今では信じられませんが、低迷期に見せるショー的なコンサートというジャンルを創り出そうとしていた苦労が垣間見れますね。

   セットはポスターなどに使われたオリーブの絵をそのまま大きくしたもの。セットにそのまま「Olive」と書かれているような時代でした(笑)。またこのツアーはタイトルの表記が徹底されておらず、チケットや告知物に「Olive」と書かれることはほとんどありませんでした。ちなみに福岡公演のチケットには「ユーミン・イン・ザ・ワールド」と書かれています。余談ですが、2024816日のテレ東「武田鉄矢の昭和は輝いていた」でゲストの久米小百合(元・久保田早紀)が学生時代ユーミンの「ひこうき雲」を必死にコピーしていたというナレーションのバックにこのツアーのリハーサルをしているユーミンの映像が流れました。真っ黒な練習着でこれまた真っ黒なマントを捌き、飛ばしたマントをまた拾いに行って、・・・みたいな映像で、提供はスポニチクリエイツ/毎日映画社。当時の”スポーツニュース”の映像でしょうか?久米さんのエピソードの背景映像ってだけなのにテレ東すごいもん出してくるなぁと思いました。

   8月には前年に引き続き葉山マリーナで野外ライヴが行われました。演奏曲やバックバンド、衣装などはツアーとほぼ同じだったそうなのでいっしょに載せています。

   テレビ朝日の生中継もはいっており、5曲が放送されました。またMCではスタジオの小林亜星やすぎやまこういちと掛け合うシーンもありました。

   公式バイオグラフィでは長年、79年と81開催のコンサートとの区別が出来ておらず後者が未掲載、FCでは81年の内容が79年のものとして紹介されたりしていました。Vol.13のビニル新聞(グッズ)でVol.281とし、79年はTVイベントということでカウント外としたことが明らかにされ、また00年代に入ってFC会報78号の付録で公演内容が紹介されました。前座はブレッド&バター、司会は吉幾三と榊みちこだったそうです。