ALARM à la mode アラーム・ア・ラ・モード

 

オリジナル発売日:1986.11.29

発売中のCDTOCT-10651 [EXPRESS/TOSHIBA EMI]

 

【収録曲】

 

1.

Holiday in Acapulco

 

2.

ジェラシーと云う名の悪夢

 

3.

パジャマにレインコート

......sr

4.

白い服白い靴

 

5.

土曜日は大キライ

......t

 

6.

ホライズンを追いかけて
     L'aventure au dèsert

......t

7.

Autumn Park

 

8.

20 minutes

 

9.

3-Dのクリスマスカード

 

10.

さよならハリケーン

 

 

 

a…オリジナルアルバム未収録、s…シングルカットされた曲、t…テーマソング、CM曲など、

v...ビデオクリップの作られた曲、数字...その数字回数目のアレンジ、r...リミックス

 

【収録曲備考】

3.

s

 r

85年発売21枚目のシングル「メトロポリスの片隅で」B面。その年のアルバム「DADIDAには収録されなかった。

リミックスして収録。

5.

t

86 CX「オレたちひょうきん族」エンディング曲。10月頃から先行ミックスバージョンがオンエアされていた。

6.

t

86年 三菱自動車「三菱パジェロクイズ」CMソング(インスト)。当選者を871月のパリダカスタートを見るツアーに招待。

この曲自体もパリダカをテーマに書かれており、871月にパリダカに参加した三菱パジェロ「ユーミン・マリクレール号」のロゴにもこの曲の副題がプリントされていた。

87年 テレビ朝日ドラマ「痛快!婦警候補生やるっきゃないモン!」挿入歌。

9.

 

85年 森下理恵に曲のみ提供した「トワイライト」のリメイク曲。全く同じメロディではなく何となく似た別の曲という感じ(笑)。

 

 

【リリースデータ】 (ディスクナンバー * 発売日 * 発売元 *表示価格)

 

LP
ETP-90440
1986.11.29 * エキスプレス/東芝EMI * \2,800

見開きジャケット。オリジナルレーベルデザイン。

 

Cassette Tape
ZH28-1750
1986.11.29 * エキスプレス/東芝EMI * \2,8002,637(2,560)
新作としてはXDRテープを初採用。

一部「EAST WORLD」レーベルのロゴがミスプリントされているものがある。


CD

CA32-1330 1986.11.29 * エキスプレス/東芝EMI *\3,2003,008(2,920)

初めてのCD同時発売。

 

CD(発売中止)

TOCT-10338 1998.7.16 * エキスプレス/東芝EMI *¥2,000(1,905)

詳細→再発復刻リスト

 

CD(発売中止)

TOCT-10369 1998.7.16 * エキスプレス/東芝EMI *¥2,500(2,381)

詳細→再発復刻リスト

 

CD17枚組 初回限定生産)

TOCT-10634 1999.1.27 * エキスプレス/東芝EMI * \38,000(36,190)

詳細→再発復刻リスト

 

CD

TOCT-10651 1999.2.24 * エキスプレス/東芝EMI →EMIミュージック・ジャパン*¥2,500(2,381)

詳細→再発復刻リスト

 

LP( 初回限定生産)

TOJT-10651 1999.2.24 * エキスプレス/東芝EMI *¥3,000(2,857)

詳細→再発復刻リスト

 
CD
(期間限定発売)
TYCT-69048
 * 2013.10.2 * ユニバーサルミュージック * ¥1,980
詳細→再発復刻リスト

 

PC配信

2018.9.24 Universal Music LLC / EMIレコード・ジャパン

423曲を一斉配信 詳細→再発復刻リスト

  

ハイレゾ配信

2019.9.18 Universal Music LLC / EMIレコード・ジャパン

423曲を一斉配信 詳細→再発復刻リスト

  

 

 

【クレジット】

 

All Songs Written by YUMI MATSUTOYA
All Songs Arranged by MASATAKA MATSUTOYA
Synthesizer Arranged by MASATAKA MATSUTOYA & KEISHI URATA (EMU)
Brass Arranged by SHIN KAZUHARA
Chorus Arranged by MASATAKA MATSUTOYA, YUMI MATSUTOYA, MASAMICHI SUGI

Bass: KENJI TAKAMIZU
Drums: HIDEO YAMAKI, TATSUO HAYASHI, NOBUO EGUCHI
E. Guitars: MASAKI MATSUBARA, TSUYOSHI KON
A. Guitars: MASAKI MASTUBARA
Keyboards: MASATAKA MATSUTOYA
Percussion: NOBU SAITO
Saxophones: JAKE H. CONCEPTION
Trumpets: SHIN KAZUHARA
Strings: MAEDA STRINGS
Backing Vocals: YUMI MATSUTOYA, JIN KIRIGAYA, TOSHIHIRO "BOBBY" KIRIGAYA,
EMIKO SHIRATORI, MASAMICHI SUGI, KURARA, LEONA, LILIKA
Wooden Cymbals: BRUCE WILDSTEIN

Synthesizer Programmed by KEISHI URATA (EMU)
Directed by SEIZO SHIMOKOBE, ATSUSHI SOUMA
Recorded by MATT FORGER, SEIJI YAMAZAKI (CHERRY ISLAND)
Assisted by TADASHI INOUE, MASAKI TAKAMURA (ONKIO HAUS)
Mixed by MATT FORGER
Mastered by BERNIE GRUNDMAN
Metal Matrixing by SHEFFIELD LAB
Recorded & Mixed at ONKIO HAUS, STUDIOS 1, 2 & 3
Musician Coordinated by KOJI KIMURA, FUMIO MIYATA

Art Directed by MITSUO SHINDO
Design by TETSUYA K.B, SAWAKO NAKAJIMA
Photographed by FUMIYUKI KAWASHIMA

Special Thanks to: KUNIHITO SHIMA, BRUCE WILDSTEIN, DIANNE FORGER, MASAMICHI SUGI,
NU VIEDA INC. for Making This Album Possible.


Additional Thanks to: ELECTORI for MITSUBISHI X-850 LEASING
MASAMICHI SUGI Appears Courtesy of CBS SONY

Produced by MASATAKA MATSUTOYA
Associate Producer: MATT FORGER

 

 

【ノベルティーグッズ】

 

デスクマット、ソングバッグ、カード、手帳、メモパッド、ボールペン、トレーナーなど

 

 

【主な売上記録】

 

オリコン: 68.5万枚、最高位1位、相対売上比2.13 (87年年間TOP50総売上平均)

                            86年発売のCD(CA32-1330)売上 21.2万枚

                            LP、カセット、CDの売上比はだいたい5: 2.2: 2.8で、CDがカセットを上回る

            

不明: 売上133万枚  週刊現代902月号、サピオ903月号に掲載 数値の参照元は未掲載だが同一の参照元があると思われる

 

 

【メモ】

 

    18枚目のアルバム。

    アルバムコンセプトは「サスペンス仕立ての日常」。「サスペンスという言葉には、不安定という意味もありますから、女の子の日常の心理も、これまたサスペンスなんです」(読売新聞86.12.9夕刊)GBのインタビューによると、ユーミンが誕生日にヒッチコックのLD集をもらったことや、その頃持ち込まれたジャケットデザインがサスペンスタッチのものだった事などの偶然が重なりオシャレなサスペンスをやろうということに決めたそうです。タイトル候補には映画からとった「Charade」もあったとか。「アラーム・ア・ラ・モード」には「お洒落な警告」というニュアンスを持たせたそうですが、基本的にはただの語呂合わせで付けたそうです。

    エンジニアのマットフォージャーが来日し、東京でレコーディングのほかミックスが行われました。

     ジャケットはモンドリアン調で、格子の中に帽子の影を落としたモノクロのユーミンが写っているものですが、LPのジャケットはかなり凝っていて格子とユーミンの黒の反射率が違います。格子はややマットで、ユーミンの写真は反射する黒。文字もエンボスしてあり浮き出ていますし、裏はもちろん見開きも同じつくり。いわゆる絵としてだけでなく、ブツとしてデザインされているのがよくわかります。同時発売のCD99年のCDサイズLPジャケットもここまでは再現できておらず、LPのみの豪華仕様と言ってもいい出来栄え。これがオリジナルですよ、意図した姿ですよ、という出来なので、例えLPが聴けなくてもぜひ持っていたい一品です。ちなみにここで言うモンドリアン調はイヴサンローランのモンドリアン・ルックが有名ですが、元になっているのはピエト・モンドリアンという画家のコンポジションという作品たちだそうで、発表以来さまざまな物のデザインに使われています。もしモンドリアン・コンテストがあったならこのLPジャケットを出品したいですねぇ。

    TVCMには帽子を深くかぶったユーミンがヒールに仕込んだ通信機で「Holiday in Acapulco」を歌う映像が使われました。フルコーラス作っているのかはわかりません。このTVCMと連動した企画「YUMING QUIZ on TV-SPOT」が、それから発売に先立ち電話で週毎に新曲を公開していく「ユーミンテレフォンジョッキー」も行われました。これは指定電話番号にかけると、相手先で自動でテープが流れ、新曲が聴けるというもので、ネットがなかったころのオンデマンド試聴です。また店頭演奏用などで「ホライズンを追いかけて」「土曜日は大キライ」のビデオクリップが流されましたが、これは861月にTBS4週に亘って放送された「合言葉は音楽気分」の1週目「ユーミンのパリだから!?」、4週目「メイキングDADIDA」からの映像をひっつけたもので、この曲のために作られた映像ではありません。

    売上が当時発売された人気アルバムの平均枚数の約2倍以上に。(ちなみに本作は年間売上枚数2位でしたが、1位の荻野目洋子「ノン・ストッパー」とはわずか1,000枚差。)873月に音楽評論家・渋谷陽一のFM特集「松任谷由実のすべて」で放送された対談の中で彼は見事に当時のユーミンの勢いと揺るがない信条を聞き出しています。彼の「この先、松任谷由実はもう時代遅れだという時代の変わり方も考えられるが、そうなった時どう粘るのか」という趣旨の質問に対してユーミンは後からリップサービスだとしながらも即座に「それはない、それは日本銀行とは言わないが、大手都市銀行が潰れるようなものですよ」と返しています。後の不景気に転じた世の中で、この発言はこの部分だけが「予言」として有名になってしまいますが、続く対談の中で「自分には時代とのずれを生じさせないためのシステムがあるが、もしそれでも時代とずれが生じたなら、それは自分が間違っていて、時代の方がいつも正しいと思ってる。他人より自分がすごく面白いが、自分より時代の方がもっと面白い。」と語っており、渋谷氏は「その絶対に自己肯定的にならないところが松任谷由実のすべてだ」と締めくくっています。
"銀行発言"が予言だったのか、あるいは全くそんなことはありえないという自信だったのかは如何様にも取る事が出来ますが、むしろ興味深いのは後段の「自分より時代のほうがもっと面白い」という姿勢の方かと思います。後の90年代初頭バブルが崩壊し、さらに後の00年代、渋谷氏の言うとおり、本当にユーミンが売れなくなる時代がやって来ますが、それでも作品を作り続けてこられたのはこの姿勢があるからだと思います。(「」内の発言は全て当サイトで要約したもので、実際の発言そのものとは異なりますし、要約の都合、タイミングも多少前後させています。)