天国のドア THE GATES OF HEAVEN

 

オリジナル発売日:1990.11.23

発売中のCDTOCT-5900 [EXPRESS/TOSHIBA EMI]

 

【収録曲】

 

1.

Miss BROADCAST

 

 

6.

ホタルと流れ星

 

2.

時はかげろう

 

 

7.

Man In the Moon

......t

3.

(エース)はここにある

 

 

8.

残暑

 

4.

満月のフォーチュン

......vt

 

9.

天国のドア

 

5.

Glory Birdland

 

 

10.

SAVE OUR SHIP

......t

 

a…オリジナルアルバム未収録、s…シングルカットされた曲、t…テーマソング、CM曲など、

v...ビデオクリップの作られた曲、数字...その数字回数目のアレンジ、r...リミックス

 

【収録曲備考】

2.

 

 

89年カルロストシキとオメガトライブに提供した曲のセルフカヴァー。

01年 テレビ朝日ドラマ「手塚治虫劇場」(単発ドラマ)テーマソング。

90818日放送のANNによると、この年の夏TVや雑誌の取材で訪れたソ連で録った映像を使い、この曲と9.PVを作る予定だったよう。

結果的にこの企画は流れたようだが、後述のTV番組「ロシアの風・宇宙の風・ユーミン」で放送されたのはその一部ではないかと思われる。

4.

 

v

t

テレビ、ラジオ・プロモーションで最も多く流れたこのアルバムのフィーチャーソング。

PV情報はこちら

90年 三菱自動車「新型ミラージュ」CMソング。

7.

t

90年 コクド「苗場プリンスホテル」CMソング。

8.

 

84年 麗美に提供した曲のセルフカヴァー。また同じ84年に同曲に英語詞がついた「I Believe in You」という曲をナンシーウィルソンに提供している。

10.

t

 

 

 

v...

TBSTBS宇宙プロジェクト『日本人初!宇宙へ』」テーマソング。これは初の日本人宇宙飛行士としてTBSの秋山豊寛特派員が乗ったことで日本でも話題になった旧ソ連の宇宙船・ソユーズの打上や帰還などを連日報道した番組。番組中の「ロシアの風・宇宙の風・ユーミン」にはレポーターとしてユーミンが出演、バイコヌール基地や星の街を訪れた模様を放送。この曲はこのプロジェクトのための書き下ろしで詞は旅の後書き上げたそうです。このアルバムからは「満月のフォーチュン」次ぐよく流れた曲。

PV情報はこちら

曲の最初と終わりに流れるSENASAから提供してもらったアポロ乗組員とソ連の宇宙飛行士の会話を使用し、2つの船がドッキングするための会話に仕立て上げたそうです。今日の冒頭、左右から聴こえるそれらは、エンディングでは同じ場所から聴こえてきます。(PRO SOUND93.2号掲載のマット氏のインタビューより)

 

 

【リリースデータ】 (ディスクナンバー * 発売日 * 発売元 *表示価格)

 

CD
TOCT-5900
1990.11.23 * エキスプレス/東芝EMI EMIミュージックジャパン * \3,000(2,913) → ¥3,059
初期プレスはマルチスクリーンジャケット仕様
 ※


Cassette Tape

TOTT-5900 1990.11.23 * エキスプレス/東芝EMI * \2,620(2,544)
ジャケットはCDのそれに鏡を立てたようにユーミンが向かい合わせになっています。

初期プレスはマルチスクリーンジャケット仕様 ※

 

CD(期間限定発売)
TYCT-69052 * 2013.10.2 * ユニバーサルミュージック * ¥1,980
詳細→再発復刻リスト

 

PC配信

2018.9.24 Universal Music LLC / EMIレコード・ジャパン

423曲を一斉配信 詳細→再発復刻リスト

   

ハイレゾ配信

2019.9.18 Universal Music LLC / EMIレコード・ジャパン

423曲を一斉配信 詳細→再発復刻リスト

 

   ※ マルチスクリーンは当時ユーミンのハイテクステージの定番装置だった複数台のTVモニターを使用したシステム。
   ※ マルチスクリーンジャケットは歌詞カードの表とプラケースの間に枡の切られた透明のシートを挟み、マルチスクリーンのように見せたジャケット。
   ※ 1枡がレンズのようになっており、見方によってはブラウン管のように枡の中央が盛り上がって見える。

 

 

【クレジット】

 

Produced by Masataka Matsutoya
Co-Produced by Matt Forger

 

Drums: John Robinson (3,4,6,9) / Harvey Mason (5,8)

Drums Programming: Masataka Matsutoya (1,2,6,7,10) / Nobuo Eguchi (2,6,10)

Hi-hats / Tom toms: Nobuo Eguchi (2,7,10 / 9)

Bass: Leland Sklar (2,4,9,10) / Abraham Laboriel (5,8)

Keyboard: Masataka Matsutoya

Guitar: Masaki Matsubara / Shigeru Suzuki (9)

Acoustic guitar: Chuei Yoahikawa (10)

Percussion: Michael Fisher (2,4,5,7,8,9) / Motoya Hamaguchi (5,7)

Percussion Programming: Masataka Matustoya, Nobuo Eguchi (5)

Sax: * Dan Higgins (3,6) / Jake H. Conception (4,5,7)

Flute: Jake H. Conception (5,6)

Trumpet: Jerry Hey, Gary Grant (3,6)

Trombone: Lew McReary (3,6)

Horns Arranged by Jerry Hey (3,6)

Strings: Masashi Abe Group (10)

Synthesizer: Keishi Urata, Masafumi Yamanaka

Synclavier: Shingo Take

Background vocals: Yumi Matsutouya /

                                   Yasuhiro Kido, Kiyoshi Hiyama, Junko Hirotani (2,5) /

                                   Maxine Waters, Julia Waters, Oren Waters, Phillip Ingram (2) /

                                   Toshihiro Kirigaya, Kumi Showji (9)

 Carnival/ Dialogue: The Matt Forger Show (9/10)

 

Directed by Ken-ichi Nomura / Yasushi Takayama
Mixed by Matt Forger

 

Recorded by 

 

Tsuyoshi Inoue / Matt Forger
Matt Hyde / Yoshinori Waraya / Nobuo Maeda

 

Pre-Production Engineered by Masafumi Yamanaka

 

Assistant Engineered by

 

Seiji Ito / Yuhki Mizutani / Ichiro Inoue
Hideyuki Hiraki / Toshihiro Kiso
Max Garcia / Mark Hagen

 

Recorded at

 

Studio Take One / Oceanway Recording / SOUND INN
Westlake Studios

 

Mixed at Westlake Studio
Mastered by Bernie Grundman at Bernie Grundman Mastering

 

Synclavier Programming: Shingo Take
Synclavier Percussion Sounds: Nobu Saitoh
Synthesizer Programming: Keishi Urata/Masafumi Yamanaka / Gabe Moffat
Synthesizer Assistant: Kunihiko Tominaga/Kemool Suzuki

 

Co-ordinators : 

 

Koji "Don Kimura & Fumio Miyata for MUSIC LAND 
Paul Shiki & Holly Horigami for PCI 
Neil Oda for Press On 
Shun Suzuki

 


Art Director: Mitsuo Shindo for Contemporary Production 
Designers: Kumiko Tezuka / Koichi Fujikawa
Photographer: Kenji Miura
Costume Design: Sachiko Ito for Sugar Inc. 
Hair & Make
up: Akihiko Asai

 

Artist Management: 

 

Makoto Ohtake
Yukari Suzuki / Chihiro Watanabe / Kyoka Hisatsune

 

General Management: Hiroshi Abe 
Executive Producer: Seizo Shimokobe

 


Special Thanks to 

 


Haruhiko Kawasaki / Manami Ishida / Eri Brevig
Yoko Asano / Setsuko Take / Nifty-Serve MIDI Forum
Edward Gurevich / John "JR" Rally / Ryuji Suzuki / Junko Oriuchi
Diana Ormsbee & Pete Nubile (NASA Audio Reserch)

 


Masaki Matsubara courtesy of Pony Canyon
Kumi Showji courtesy of Victor Invitation
All songs & lyrics written by Yumi Matsutoya
All songs arranged by Masataka Matsutoya

 

*…アルバムのブックレットにはDavid Higginsと記載。Dan氏によると誤植だろうとのことです。 

 

 

【ノベルティーグッズ】

 

壁掛けクロック、トランプ、ポストカードセット、ミニポーチ、コースター、消しゴムバックなど。

 

 

【主な売上記録】 

 

オリコン: 売上197.5万枚、最高位1位、年間売上も1位、相対売上比3.00 (91年年間TOP50総売上平均)

                      CD、カセットの売上比率はおおまかに9.1 : 0.9 。カセットの売上17.1万枚。

    

日本レコード協会: 202.9万枚

  

 

【メモ】

 

   22枚目のアルバム。

   ここ何作かはわかりやすいキーワードでアルバムを説明してきたユーミンですが本作はそれがなく、一言で表せる言葉にするのが難しかったようです。ユーミンは自作について比較的丁寧に言葉で説明する希有なタイプのライターですが、この時インタビューでよく語られていたのは、夏にソ連で体験したソユーズ打上げや何もない砂漠から思い起こされた、誰もが潜在意識として持つ真理の様な宇宙感と、人々がそれに触れる宇宙体験について。月刊カドカワ91.1号では、端的な説明ができない分、曲ごとの解説で本作に込めた理念が語られています。

「ある理念というものを奥に持っていないと嘘だと思っているから、それを昔からラブソングに託すの。そうすると、(中略)潜在的に言葉になっていないところが、その人の体験したものと感応するんですよね。」「長い永遠の時間の中での必然というのが後ろに感じられないと、ラヴソングも切なくないんじゃないかと思いますね。みんなそういうものを持ってると思うし、本当に好きな人の時って、そういうことをイメージしちゃう。そしてまた感覚が研ぎ澄まされる。その意味でも恋っていうのは宇宙体験だと思うんです。」「恋すると胸がキューンとする感じ。(中略)落ちていくときのキューンっていう感じは、みんなあるチャクラを刺激する状態だと思うんですね。だから、恋の歌を書いていくってことは、永遠に誰でも持っているキーを差し込める鍵穴というか、ドアっていうことなのかな・・・」「今度のアルバムでは、もうずーっと使いたかったフレーズですけど、『永遠の一瞬』という言葉。(中略)その『永遠の一瞬』には人は同じ光を見ると思うんです。(中略)文字通りの一瞬であっても、その人にとっては永遠にフラッシュバックすれば、ずっと味わっていけるわけでしょう。」

   197.5万枚はオリコン史上で当時の日本のアルバム売上最高記録(寺尾聰「リフレクションズ」の記録を約10年ぶりに更新)。プレス枚数および日本レコード協会集計の総売上枚数は日本人初の200万枚を超え89121日〜90120日の売上枚数は2028911枚、売上は585293万円余)を達成しました。それを記念して非売品のGOLD CDTOCT-5900A)が作られています。この後、CDは「大量に売れるもの」になり、ユーミンが10年ぶりに更新した最高売上記録は翌年にはCHAGE and ASKAに抜かれ、その記録も2年後Dreams Comes Trueが抜き、99年の宇多田ヒカル「First Love700万枚の大記録までほぼ毎年、誰かが最高売上記録を更新することになります。

   今回も徹底したプロモーションが行われていました。10月から「満月のフォーチュン」を使った三菱自動車TVCM、加えて11月には同曲のアルバムCMを放映、朝日新聞では発売数日前から毎朝カウントダウン広告を掲載、極めつけは発売前日の「Yumings FESTA(グッズの抽選会)」とともに行っていた店頭でのワゴン売り。運送用のダンボールからそのままCDがワゴンに堆く積まれ、みるみるうちに売れてゆく、大型ショップではそんな光景を見ることができました。発売後も連日CMやランキング番組で「満月のフォーチュン」が流れていました。毎年決まったコンセプトと派手なパブリシティーで若者を巻き込み行われる冬恒例のニューアルバム発売は”社会現象””新興宗教”とまで呼ばれもっぱらの話題は”200万枚”。「ここまでやっているのに、まだブーム扱いするのかよって感じですね。百万枚を何年続けているのか見てほしい。(管理人注釈:東芝EMIの公称枚数では「VOYAGER」以降8作連続の百万枚突破)」「売れているからダメであるという考え方は間違いです。何かが伝播していくというのは、そういうものじゃないと思う。もの自体が高級であれば、多少下品な売り方をしてもかまわない。CD自体は物品販売でも、それを手にした人はその音楽の精神世界に入ってきてくれるんだから。より多くの人にその世界に入ってもらうためには、販売形態は問いません」(朝日新聞901225日夕刊)。数年後のインタビューでは、「前のアルバムの時に、もう少しで"きりのいい数字"ってところまで来てたから、もしさらに行ける可能性があるなら"一生懸命プロモーションしよう"って感じでしたね。同時にエキセントリックにもなってたんです。」「数字ってレコード会社の営業の人達とかにはいちばんわかりやすいかもしれないけど、予想外の効果を持って一人歩きすることもあるんです。もしそれが止めようもないものなら、こちらとしてもそれに見合ったクリエイティブをやるしかない、という気分でもあった。」と振り返っています。(「月刊カドカワ」93.1号)

   宣伝コピー「永遠をお探しですか。」。

   このアルバムは第5回日本ゴールドディスク大賞グランプリを受賞し、授賞式にはユーミンも参加しました。授賞式での名言「才能は、いつも言うんですけど、母乳と一緒で出さないと体に悪いっていうし、一度も出したことないんでわかんないですけど()、どんどんやっぱり走り続けて出していかないとなと、罰が当たるなと思ってます」。この授賞式の模様はNHKで放映され、エンディングには番組用に制作された「SAVE OUR SHIP」のビデオクリップが流れました。

 

 

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