Internet Home Live
【公演スケジュール】
1999年
5月15日 松任谷邸・地下スタジオ
開場 23:00 開演 24:00
○ 情報は実公演より
【演奏曲】
セイレーン
守ってあげたい
新曲:Y7 (「Spinning Wheel」)
心ほどいて
セシルの週末
Lonesome Cowboy
夕闇をひとり
(CMコーナー:三菱自動車)
新曲:Lost Highway(レコーディング音源)
水の影
潮風にちぎれて
新曲 (「Raga#3」レコーディング音源)
BABYLON
新曲(「流星の夜」レコーディング音源)
(CMコーナー:キリンラガービール)
Carry On
卒業写真
○ 情報は実公演より
【出演者】
○ 情報は実公演を参考にしました
【チケット料金】
¥1,000(500名への抽選販売)
【メモ】
・ チャットをしながらユーミン宅の地下スタジオから配信される生ライヴを楽しむというネット企画。前年より始まったネットパーティーin苗場の最終日チャットで"Mさん"こと松任谷正隆とファンのあいだで盛り上がって生まれたアイディアだそうです。抽選で500名が参加。
・ ネットパーティー in Naebaで好評を博していたチャットルームを10室用意。チャットにはファンとユーミンのほか、事務所やレコード会社、レギュラー番組のスタッフが司会者として入り、チャットでリクエストを募っては、ユーミンがそれを歌うという進行でした。新曲もデモ音源含め、半年先行してなんと4曲を披露。
・ 三菱自動車とキリンラガービールが協賛。歌の合間にはユーミンと雲母社の海津氏の掛け合いによるCMコーナーも。「三菱自動車と言えばGDIエンジン。みなさんGDIエンジンって知っていますか?」「キリンラガービールは今年でなんと誕生111年!」といった感じ。深夜の松任谷邸には出演者やスタッフ含め20人近くが集結、機材も物入りだったようで、当時はインターネット配信にものすごくお金がかかったようです。チケット代だけでは合計50万円という大赤字イベントでした。
・ 家庭用インターネットは90年代半ばより日本でも徐々に導入され始め98年に一気に普及、この頃ようやく映像や音声をほぼリアルタイムにストリーミングする技術が整いました。ただし、高品質回線でもISDN 56kbps、多くの家庭ではまだダイヤルアップで接続という時代で、音声も恐らく8bit、8kHzサンプリングという電話に近い音質だったのではないかと思います。現在、TV放送ともう区別があまりないようなインターネット配信ですが、当時はまだまだパソコンを通して音楽や映像が送られてくること自体が目新しい時代で、最新テクノロジーと深夜ラジオの秘かな愉しみが融合したような不思議なイベントでした。通信トラブルなどもまだまだ当たり前の時代で、進行自体も23:00のチャットルームオープンから翌日明け方の04:00頃までのんびりとした進行で行われていました。
・
最後の「卒業写真」前にはユーミン・正隆両氏によりしみじみとこのライヴへの想いや、やってみての感想が語られました。
「ここでスタートするじゃない、音楽が。で、ここで僕がプログラミングして、他のスタジオへ行って、歌とって、・・・ここは出発点だから、ここでスタートするここの音楽を聴いてもらいなという感じだったんだよね。」
「・・・今日みたいに大掛かりになっちゃうとみんなも大変だし、家も大変なことになっちゃって、・・・(将来)みんなが自分の家から司会してくれるといいなぁと思ってて、そのうちさ、そうだよ!チャットやってるさ、中の人から司会してもらおう」「これがホントのしかいしだ(笑)」
「私は妙にね、昔ね、月に一回ジァンジァンとかやったのを想い出してるのよ・・・(メディアは違うけど)マインドとしては一緒・・・なんら変わっていないということですね」「初心に戻れたということはいいんじゃないですか」
「ではまさにここで夫婦録音いたしました『卒業写真』をお送りして今夜はお別れです。参加して下さった皆さん、本当にありがとうございました。」